封切り四週目。
席数201の【CHANTER-2】の入りは五割ほど。
席数201の【CHANTER-2】の入りは五割ほど。

スパイもの、といっても、派手なドンパチがある訳ではなく、
地味な諜報戦が終始描かれる。
地味な諜報戦が終始描かれる。
しかし、一つ先の展開は読めず、緊張感はラスト向かい
静かに立ち上がって行く。
静かに立ち上がって行く。
一瞬たりとも目を離すこと能わずの秀作である。
ハンブルクでテロ対策チームを率いる『バッハマン』が目を付けたのは
トルコ経由で密入国したチェチェン人の青年『イッサ』。
最初の内こそ、テロを起こす可能性を念頭に置いていたのだが、
次第に彼の関心は異なる方に向いて行く。
トルコ経由で密入国したチェチェン人の青年『イッサ』。
最初の内こそ、テロを起こす可能性を念頭に置いていたのだが、
次第に彼の関心は異なる方に向いて行く。
そして、もう一人、
テロリストへの資金供給者として彼がマークしている大物『アブドゥラ』博士。
テロリストへの資金供給者として彼がマークしている大物『アブドゥラ』博士。
最初はこの両者が、どう結び着くのかがさっぱり見えないのだが、
やがて『バッハマン』が構想した壮大な計画が浮かび上がって来る。
やがて『バッハマン』が構想した壮大な計画が浮かび上がって来る。
〔誰よりも狙われた男〕の原題は〔A Most Wanted Man〕で、ほぼ直訳。
観ながらも、(前回の例からして)何かの仕掛けがこのタイトルに
隠されているのだろうと思っていたのだが、どうにも判らない。
観ながらも、(前回の例からして)何かの仕掛けがこのタイトルに
隠されているのだろうと思っていたのだが、どうにも判らない。
しかし、最後のシークエンスになり、アッと思わされる。
成る程、そうだったのかと。
成る程、そうだったのかと。
此処で描かれるのは、自分達の権益や主導権を守るためであれば、
同じ部署の仲間や諜報員同士でも平然と裏をかこうとする非情な世界。
同じ部署の仲間や諜報員同士でも平然と裏をかこうとする非情な世界。
主人公の『バッハマン』は、見た目粗野そうだが、
言動の端々に「情」が見て取れる。
言動の端々に「情」が見て取れる。
実際、軟禁はしても、暴力に訴えることはぜず、
なだめすかせ、理を尽くし、納得づくで協力者に仕立て上げる。
なだめすかせ、理を尽くし、納得づくで協力者に仕立て上げる。
ぬるい、と言われればそれまでだが、
そこに演じた『ホフマン』の姿が重なり
ぴったりと嵌っている。
そこに演じた『ホフマン』の姿が重なり
ぴったりと嵌っている。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。