RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

灼熱の魂@TOHOシネマズシャンテ 2012年2月14日(火)

席数190の【CHANTER-3】は三割程度の入り。
客層は、やや高齢(自分を含め)の、お独り様多し。

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急逝した母の遺言状を前に
双子の姉弟『ジャンヌ』と『シモン』は困惑している。

そこに書かれていたのは
行方知れずの父と、その存在すら知らなかった兄を捜し出し
手紙を渡せと言うもの。

反抗する弟を残し、『ジャンヌ』は父を捜す為
母親『ナワル』の故郷へと向かう。

しかし、そこで待ち受けていたのは、
姉弟の存在意義にも迫る母の過去だった。


広義にはロードムビーに分類されるのだろうか。
が、映画自体は純然たるミステリー。

また、
因習や宗教をベースにした部族の対立が招く悲惨さが
社会としての大枠で描かれると同時に
母と子、そしてまだ見ぬ父や兄の
閉じた環でも語られる。

常に二つの要素を孕むストーリーは、
母親の過去と娘の今が、
短いセンテンスで括られながら
淡々と描写される。

この、観る側の感情移入を、ある意味拒絶した様な語り口は
頗る優れている。


このテーマで「PG12」である理由が、
中途まで、まるっきり理解できない。
極めて悲惨なシーンがあるわけでは無いし。

が、次々の予想を裏切る事実が提示されるにつれ、
本作のテーマ自体が、
ある程度の年齢以上しか許容しないことに気が付く。


真実を知ることの重みに打たれながらも、
深い余韻を残すラストシーンは、
ある種の救済の存在を、我々に示している。