RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

俺はまだ本気出してないだけ@チネチッタ川崎 2013年6月23日(日)

公開二週目。

席数154の【CINE 9】は九割程度の入り。

客層はカップル、女性の二人連れ、そして
母娘の組み合わせが多いだが、
これは主演俳優目当てによるものか。


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驚愕のキャスティングである。
主人公を演じるのは、まさかまさかの『堤真一』。

彼が日頃のダンディさをかなぐり捨て、
ウダツの上がらない、
朝起きる時にはたっぷり寝汗をかき、
家ではパンツ一丁、
更には腹を出してぐ~たらしている
典型的なダメ中年のオヤジを嬉々として演じている。

とは言うものの、そこはそれ『堤真一』だから、
どうしても実態とはギャップがある。
特に鍛えられた腕や足が、によっきりと出ていると
細かい箇所でも違和感は感じてしまうんだなぁ。


物語りは突如として会社を辞め
(家の中で)自分探しをしていた『大黒シズオ』が
唐突に漫画家になることを宣言、
高校生の娘『鈴子(橋本愛)』、父親の『志郎(石橋蓮司)』を相手に
すったもんだを繰り広げる。

中途、バツイチの幼馴染『宮田修(生瀬勝久)』、
バイト先で知り合った『市野沢秀一(山田孝之)』もストーリーに加わり、
オハナシは、繰り返しのギャグや妄想のシーンを取り込みながら
展開されるのだが、
最後には、家族の再生と、夢の実現に向かっての方向性が
鮮やかに語られる。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。

度重なる不毛な「本気出す宣言」や
人格破綻者的に自分のコトしか考えず
家族を顧みない主人公にはあまり共感はできない。

で、この展開で、どうケリを付けるんだろうと
甚だ不安になってしまったが、
観終われば、周囲には、涙ぐむ人が居たほどの人情劇。


監督の『福田雄一』は映画の分野でも
かなりの手練れになって来たと感じた。