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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

HOME 愛しの座敷わらし@チネチッタ川崎 2012年5月1日(火)

席数154の【CINE 9】は六~七割程度の入り。
客層は、若干高齢に振れているが、
お子様連れの家族もちらほらと見かける。

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岩手県の古民家に東京から越して来た
会社員一家の物語。

が、その引越し先は
「座敷わらし」の住む家だった。

ただ、その家に「座敷わらし」が居ることは
ファーストシーンで既に提示される。


主人公の娘や妻は、田舎での生活に馴染めない。

かと言って、(特に娘は)虚偽的な都会での交友関係にも
疑問を感じている。

ことほど左様に、
家族の構成員は夫々の問題を持ち、
それが「座敷わらし」との係わりの中で
徐々に顕わになる。

一方で、その存在が、次第に家族が再融合する為の
触媒となっていく。

東京の狭い家では、五人が擦れ違う生活だったのに、
岩手の広い家に越して来たことで、逆に
互いに寄り添い生きることになる。

やがては、バラバラだった家族が再生する。


「座敷わらし」が、共通の言語として認識されるまで、
半分の時間を費やしてしまうのは
何ともまだるっこしい。

段階を追って展開されるエピソード間の繋がりも
何と無くぎくしゃくしている。

脚本の完成度は、あまり高くはない感じ。


当然の大団円の後、
胸が温かくなるラストシーンではある。

ここでの「座敷わらし」はあくまでも脇役で、
「福の神」といった仄聞による影響が大きく、
実際は家族が持つ自助力がオハナシの鍵であるのだろう。