RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

渋谷区立松濤美術館所蔵品展@ギャラリー大和田 2013年5月18日(土)

気が付けば、ちょくちょく訪問している美術館が
移転だったり、改装の為の休館だったり。

で、『松濤美術館』まで、改装の為に本年いっぱい
休業の告知

あらあらと思っていたら、その無聊を慰めて呉れる様な案内が
併記されている事に気づく。

収蔵作品展を三期に分けて開催。
しかも、期間中は無休に加えて無料の展示会だと言う。
これは、有り難い。

場所は昨年一度訪問している
標題館。
展示スペースも相応の広さなので、これは期待できそうと、
押取り刀で第一期の展示、
”Ⅰモダンな休日 1920年代の写真”に駆け付ける。
会期は~6月2日(日)まで。


事前の告知が行き届いていない為か、
会場内はかなり閑散。

受付の男性も手持無沙汰そう。

来場者の度にカウンターを押してはいるのだが、
自分の滞在中に他の客は一人きり。


さて、解説によると、標題の1920年代は
カメラを個人も使うようになりつつある
所謂、黎明期。
とは言っても至って高級品で
手にした人は僅かだったわけだが
彼等は試行錯誤をしながら次第に写真を芸術の域にまで
引き揚げて行く。


此処では三人の日本人を主とした、相応の数が展示されている。
捉えられているのは、日常の何気ないスナップが殆ど。

時代は「大正」。
切り撮られた都内の風景を見るにつけ、
戦前の東京は路地と水路の街だったことが良く判る。

また、冬の「諏訪湖」。
厚く張った氷の上を滑る男性二人のスケーターの優美な姿。

しかし〔大正十二年九月〕と題された一葉には、
荒廃した風景が写り込んでいる。


ゼラチンシルバーの
またはセピアめいた作品を一覧すれば、
九十年後の今、往時の風俗に思いを馳せることができる。