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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

マリリン 7日間の恋@チネチッタ川崎 2012年4月1日(日)

138席の【CINE3】は九割方の入り。
最前列だけに空きが散見される。
客層は老若男女幅広い。

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良家の出身でイートン校を卒業した『コリン・クラーク(エディ・レッドメイン)』は
映画業界に、それも裏方に憧れ、
何とかその世界に潜り込もうと画策している。

一方、イギリスの名優『ローレンス・オリヴィエケネス・ブラナー)』は
売り出し中の女優『マリリン・モンローミシェル・ウィリアムズ)』をアメリカから迎え
〔王子と踊り子〕の撮影に入ろうとしている。

その二人が撮影所で交錯する。


各種の文献で(勿論、本作でも)描かれる『MM』と言えば、
かなりエキセントリックで、
加えて酒と薬に溺れ
周囲を激しく疲弊させてしまう存在。

撮影に遅れるのは日常茶飯、
台詞も覚えずにクランクインすることもままあり、
現場は振り回され混乱させられる。


しかしフィルム上に定着されたその姿態や演技は
全ての人を魅了せずにはおかない。
図らずも本作で『オリヴィエ』にも
彼の妻の『ヴィヴィアン・リージュリア・オーモンド)』にも
言及させている様に。

それは『MM』ではなく、
本来の『ノーマ・ジーン』が持っている
天性の幼さや、それと相反する妖艶さの発露。


実は本作の主人公は
原題が〔My Week with Marilyn〕であることからも判るように
『マリリン』では無く、
〔王子と踊り子〕の「サード」を勤めた『コリン・クラーク』。

クランクインから、撮影がアップし、
彼女が離英するまでの二人のふれ合いが主題になっている。

此処での『モンロー』は『ノーマ・ジーン』との間を激しく揺れ動く。
素の彼女は頗る美しく、無邪気で、可愛ささえ感じさせる。


演じる『ミシェル・ウィリアムズ』の顔や容姿は本来
似通ってはいないはずだが、次第に独特の空気を纏い、
やがて、彼女がそのものではないかと
見えて来るほどの名演。


『コリン・クラーク』が映画業界に潜り込むまではテンポ良く、
一方、撮影に入ると(それ自体が遅滞している表現の様に)
スローに描写される構成も凝っている。


二人の関係は淡いもので、観ているこちらの胸が
痛くなるほどの切なさを感じさせる語り口も素晴らしい。


しかし、それにつけても『ミシェル・ウィリアムズ
素晴しい。
コケティッシュ、と言うのか。
こんな女性が傍にいたら、男は誰でも、
振り回されると判っていても、
ころりと参ってしまうだろう。

と、此処まで書いて、はたと思い中った。
これって、もしかして、萌え~~っつ
てこと?