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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙@チネチッタ川崎 2012年4月1日(日)

席数154の【CINE9】は、ほぼ満席。
客層は、やや高齢者が多いか。

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マネーボール〕もそうだったが、
本作の主人公も存命中。
しかも、最近では認知症が進んでいると漏れ聞く。

そういった、評価の定まらない人物を取り上げる
ってぇのは、どうなんだろう。

原題は〔The Iron Lady〕。
それに較べて邦題の〔鉄の女の涙〕とは
随分と女々しいことよと思いながら
臨んだのだが、
実はこちらの方が、内容を忠実に表現しているという
皮相さ。


引退後もセキュリティーや使用人に護られて暮らす
マーガレット・サッチャーメリル・ストリープ)』は
最近では認知症が進行し、
亡き夫の幻影を見るようになる。

その亡霊が狂言廻しとなり、
過去の出来事が次々と回想されて行く。

オックスフォード合格
下院議員への当選
教育相への就任
保守党党首から初の女性首相へ
フォークランド紛争
IRAの爆弾テロ
そして退任

ほぼ時系列に沿って、各エピソードが並べられ、
往時の彼女は並みの男よりも雄々しい。

しかし、現代の『サッチャー』の
よく泣くことといったらなく、
これでは単なるメロドラマに堕している、
陳腐な脚本の出来。


唯一の救いが、中年~現代までを演じた、
メリル・ストリープ』。
外見も、喋り方も酷似し、
認知症の人間はこうであろうとも納得させる
その役つくりには、脱帽するばかり。

尤も、それが無ければ
かなりの駄作の部類に入ってしまうがな。

要は、女優を観るための一作なのだろう。