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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

江成常夫写真展~昭和史のかたち~@東京都写真美術館 2011年9月17日(土)

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一般の入場料は700円だが、
今回は招待券を頂いた。

ガーデンプレイス』内で開催されている“恵比寿麦酒祭”
流れではないだろうが、会場内は中高年男性の姿が多く、
そこそこの混雑になっている。

副題には「昭和史のかたち」とあるが、
実際には戦中の事象を取り上げ、
その場を直近に撮影したものが殆んど。

第1部 鬼哭の島
第2部 偽満洲
第3部 シャオハイの満洲
第4部 ヒロシマ
第5部 ナガサキ
の五つのパートで構成されている。

第1部は55点。
激戦の舞台となった島嶼部で撮られた写真と、
その背景がキャプションで語られる。
勿論、塹壕や今も残る高射砲、墜落した飛行機の残骸、
収容されていない人骨には慄然とした気分になるのだが、
一方で殆んどの島は観光地化し、
それは美しさを前面に出すことと同義。
時折挟み込まれるそれらの風景と対比した時に、
遣る瀬無い気持ちになってしまう。

第4部ヒロシマは19点。
第5部ナガサキも19点。
何れも被爆された方の最近のポートレイトに
爆心地近辺で採集された文物の写真が間に挟まる。
その表情からは、
戦後の六十年を辛い思いと寄り添いながら生きてこられた
意志の力が感じ取れる。
また、添えられているキャプションを読むだけでも
背負っているものの重さが身に迫る。

とても軽い気持ちでは観ることができない。
重い足取りで会場を後にした。