RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

阪急電車 片道15分の奇跡@TOHOシネマズ川崎 2011年5月8日(日)

イメージ 1


席数542とかなり広い【SCREEN5】の入りは
六~七割程度と、まずまず。

客層は、原作の『有川浩』ファンの女子に
引っ張られて来た男子、という図式の
カップル多し。


タイトルは
阪急電車」となっているが、
実際は「今津線」十駅の内八駅、
乗車時間にして15分弱の短線を舞台にした
中篇小説。

首都圏に住む我々には馴染みが無いが、
関西圏に住む人達に取っては、
「ああ、あれね」と、ピンと来るのだろうか。

確かに、訪阪した時にチラと見た、
焦げ茶色の特色ある車体がスクリーンに映ると、
不思議と郷愁が込み上げる。
それが、画面に潤いを与えている。


冒頭、駅の数と同じ、
沿線に住む八人の生活が描かれ、
彼らが、悩みや問題を抱えていることを知る。

それは、いぢめ、嫁姑の確執、DV、
近所付き合い、受験、都会での疎外感
といった、以外と身近な内容。

車内や駅のホームで行き交う内に、
それらは少しづつ解決されて行くのだが、
個人にとっては大問題でも、
傍から見れば、然程のコトは無い。
が、小さい幸福が積み重なり融解することで、
我々もぢんわりとしたカタルシスを得る。
しみじみとした描写なのだ。


予告編も含めて、
白いドレス姿の『中谷美紀』が前面に出ているが、
本編の主人公は彼女を含めた”人”では無く、
今津線」と、駅周辺の街・町。

エピソード間の繋ぎは多少ぎこちなく、
それは原作のストーリーを端折っていることに起因する様だ。

それでも、駅間は短いにも拘わらず、
駅によっての特色(大学とか住宅とか
宝塚とか、ハイソとか)がかなりあることで
メリハリの効いたストーリーテリングが可能になっている。

実態は、長躯を舞台にした「グランドホテル形式」、
且つ、玉突きではなく、
行きつ戻りつしながら、大団円に持ち込む手練は
かなり見事で、これは原作の功によるもの大か。


しかし、それにしても、
今回も『谷村美月』、可愛かったなぁ。