RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

熊田千佳慕展@松坂屋銀座8階大催場 2009年8月22日(土)

中学生以下は無料の展示会。夏休みということで、当然混雑が予想される。
おまけに、開始間もない13日に、ご本人が永眠されたとの新聞報道。
これで混雑に更に拍車が掛かることが想定された。

が、折角頂いた招待券を無駄にするわけにはいかない。
覚悟を決めて行って来た
一般の入場料は1,000円。

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予想通り、途轍もない混雑。
入り口にも「混み合っています」の張り紙(何の救いにもならんがな)。
しかも、殆んどの人は壁に沿って順々に歩くので、遅々として進まない。
人の頭の間から、漸う覗き込む感じ。
それでも、後半のパートになれば、人の塊は分散するので、
気に入った作品の前では、歩みを停めて、ゆるりと鑑賞することができる。


兎に角、途方も無く精細な描写。虫の繊毛の一本まで、キチンと描かれている。
しかも、虫・鳥・動物・草木の何れも同じような力の配分で、
省略されている箇所が無い。全画面に渡って、均等に力が入っている。

写真では撮りえない構図の数々。
更に、ユーモアー溢れるタイトルから、洒脱な人だったのだろうと感じ入る。

中でも、夜の場面。
モノトーンの草木に比して、極彩色の虫達が躍動している。
なんとも、鮮烈な表現。

これらの殆んどが七十を過ぎてからの作品と聞くと、
驚くとともに、感動はいや増す。

全200点強の展示は、混んでなければ、
もっと時間を掛けてじっくりと観たかったのにと、
それだけが残念だが、童心を持つ神の手が描いた作品に、
短い時間だけどふれることができたのは、幸せだった。