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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

謎のデザイナー 小林かいちの世界@ニューオータニ美術館 2009年7月26日(日)

【ニューオータニ美術館】は【ガーデンコート】の6階。
間違って本館の方に行かないように、注意が必要。
最寄は【永田町】か【赤坂見附】のA7出口。
【弁慶橋】のたもとに出るので、橋を渡って50mも歩けば、
目的の建物。

写真が撮れなかったので、当該ホームページ
を引用するけど、最早洒落たデザインが目に飛び込んでくる。

しかし、思わせぶりなタイトルだ。でも、写真もちゃあんと展示されているし、
年表もキレイに作成されているしで、何が?と感じるが、
所謂、少数具眼の士→再発見→再評価の途上であるということか。

入場料は800円だが、”ぐるっとパス”を利用。

展示されているのは、葉書や封筒・袋の類で、総点数はかなりになる。
何れも版木を使っての多色摺りなので、さながら小さい浮世絵を
沢山観る趣きだ。

それにしても、封筒の小さいこと!
今使われている定型封筒の、半分も無い。
昔の人は、本当にこれで用が足りたんだろうか。

大正モダニズムとかモボ・モガとかの言葉を聴くけど、
非常に洗練されて、どれも装飾性に富んでいる。
デザインも凝ったものが多く、だから『小林かいち』のような人の
出番も有った、ということか。
高級品だったのだろうな、多分。


激しく細身の女性は和装だが洋髪。その服も、切り裂いた布の様にシャープな線。
一方で教会や十字架といったモチーフも繰り返し現われる
(極端な場合は神父さん×舞妓さん、とか)。

しかも、描かれている女性は殆んどが不幸を背負っているようで、
人を待っている、両手で顔を覆っている、十字架の前に独り佇んでいる。

シチュエーションは兎も角、デザイン自体の感覚は、
現代にもぴったりくるし、全然古さを感じない。

それにしても、基本的には消耗品なのに、
こんなにも良い保存状態で、沢山の作品が残っていたものだ。
ある種の感動を覚えるよ。