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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

仁清・乾山と京の工芸―風雅のうつわ@出光美術館 2014年11月29日(土)

一般の入場料は1,000円だが
招待券を頂いた。

会期は~12月21日(日)まで。

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当日は昼頃から雨模様。
こんな日は空いているいるだろうとふんでの訪問は
想定通り。
時として集団での来訪者はあるものの、
押し並べて見ればかなり余裕をもって鑑賞できる状態。
これくらいだとストレスが溜らなくていい。


焼き物が中心と言うこともあり、
総点数は約百と大盤振る舞い。

そして内容もかなりユニークで、
写しとその元になった作品、
画や蒔絵との関係性、
また作品同士の流れなどを、
両者を並べて展示することで
判り易く見せている。

大きく意匠を変えているものもあれば、
本歌に瓜二つのものもあり、
成る程、これは面白い趣向。

そのためには、収蔵品のみならず、
個人蔵は勿論、文化庁・他の美術館にも手を伸ばし
広く渉猟している。


また
『仁清』『乾山』『道八』といった大所の作品が大部分を占めるのも
観ていて煌びやかであることと、各人の特色と共に
(解説を読み込めば)系譜の関係性もきちんと理解でき有り難い。


それにしても、今更ながらに気づいたコト。
兄弟合作で『光琳』の絵が入ると、
それだけで面が引き締まって見える。

或いは、当時取引のあったオランダからの文物のデザインを
さらりと取り込んでしまうことの先進性の素晴らしさ。
何れもが、全く古びてないんだかならな。


そして、本展一番の驚きは
『仁清』の〔色絵熨斗文茶碗〕。
四百年近く昔の作にもかかわらず、
今造られた見紛うばかりの美しさ。
濃いクリーム色のきめ細かい肌艶が
今でも淡い明るさを湛えている。

素晴しい。

出所は『京極』家とあったが、
どれほど丁重に扱われて来たのだろう。

こういった気遣いがあってこそ、
後世の我々が美しいモノを楽しむことができる。
つくづく有り難いコトだと思う。