RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

菜の花@上野桜木:和食

【日暮里】からも【上野】からも
徒歩で十分ほど掛かる。
周囲は住宅街で、店の前の灯火が妙に明るく感じる。

三日ほど前に予約の電話を入れ、
馴染みのある『藝大』の前を通って行く。
慣れた道は迷わない、からね。

店内は入り口付近に四人掛けのテーブルが二卓。
厨房を囲むように鍵型のカウンター。

当日の来客は自分達も入れて計八名と
賑やか過ぎず寂し過ぎず、食べる側にとっては丁度良い入り。

アラカルトも勿論ある様だが、
コースの流れ優先、とのことなので
5,400円也の《おまかせ》を事前に予約済み。


先ずは例によってビールで喉を潤す。
一杯600円は適正価格。


イメージ 1


《先付》

聖護院大根/とろろ昆布/イクラ
出汁は飛魚ベース。たっぷりと煮ふくめられた大根は軟らかい。

面白いにはイクラで、ありがちな醤油味ではなく、
これも出汁の旨味を吸っている。

これは初手から期待できそうだ。


供される一品一品に素材の説明がある。
基本、佐渡の産品を地元から持って来ている様子。


イメージ 2


《八寸》

柿・蒟蒻/春菊/青梗菜/零余子・南瓜・出汁巻玉子/豆腐・塩昆布/莢豌豆。
野菜類は、何れもしっかりと土の薫りがする。特に豌豆と春菊は凄い。
柿はさわしてあるのだろうが甘みは抑え目。
豆腐には太白油が掛けられている由だが、さっぱりした後味。

器も含め見た目嬉しいし、何よりもカラダが綺麗になる感じがする。


(写真撮り忘れ)~痛恨のミス

《碗》

菊菜/なめこ/鯛/麩

なめこはスーパーで売っている様な小ささではなく、
傘がしっかりと開き大き目。

麩の紅葉色は美しい。

鯛は大きく厚く切られ、食べでがある。

出汁は薄味、しかし深みあり。ただ若干磯らしい塩味を感じてしまう。


イメージ 3


《お造り》

バイ貝/あおり烏賊/鯛/鯖/アラ

烏賊はねっとりとした食感。

鯛は芽葱を巻き、紅葉颪を添えて食べる。
歯応えよりも旨味優先か。なので軟らかい。

鯖の脂のノリはかなりのもの。
でもどちらかと言えば、さっぱりと食べられる部類。


イメージ 4


《焼き物》

カマス味醂等が練られた味噌に漬け
表面はパリッと焼き上げている。

とんと目の前に置かれた瞬間から、最早良い香りが
立ちあがって来る。

身はほっこりとし、骨も除いてあるので食べ易い。


イメージ 5


《鱈の白子》

もう、これの季節か。
程好く炙られ、塩と酢橘だけで熱々を食す。

濃厚な味わい。

こ~ゆ~食べ方も、随分と久し振りかも。


イメージ 6


イメージ 7


イメージ 8


イメージ 9


《鍋》

鰤しゃぶ、だ。大きな切り身が五枚。
葱と柚子胡椒が添えられる。
これもぼちぼち旬だねぇ。

颪した蕪が添えられ、雪見鍋とは洒落ている。
蕪の野の香りが、鰤の脂の強さを上手く中和する。

赤さが残るよう、さっとしゃぶしゃぶすれば
旨味はしっかり残り、適度に脂も落ち、上々の味わい。

更には豆腐も含め野菜もたっぷりで、嬉しいなぁ。


あとは《食事》と《デザート》とのことだが、
お酒も残っているし、まだ食べられそうなので、
アラカルトで二品ほどをお願いする。


イメージ 10



面白い。酒粕を纏っている。
味噌漬けは作るけど、この方向性は初めてだ。

異なる種類の濃厚さを纏い、結構ヒットかも。


イメージ 11


《貴腐サラミ》

『へんじんもっこ』の一品
好きなんだよねぇ、此処の商品。

で、このサラミ、硬くない。しっとりと軟らか。
そして味もとげとげしくない。

添えられた大根と一緒に口に入れる。
最強のツマミだ。


イメージ 12


《食事》

雑炊。いい塩梅にとじられ、生姜も添えられている。
玉子の通り方も絶妙。


イメージ 13


《水菓子》


柿の甘さは抑え目。
クリームチーズは蜂蜜が掛かっているとのコトだったが、
チーズの酸味しか感じない。
本日唯一の、やや残念な一品。


お酒は中途から《金鶴 本醸造》に替える。
やや甘みのある、ふくらみのある味。
一合600円を三合ほど。

お代は合わせて1.5万円とまずまずの払い。

評価は(やや大衆的な)和食店基準の☆五点満点で☆☆☆☆。

料理は、その日の仕入れに左右される部分が大きいのだろう。
これからは鮭や牡蠣も美味しいんだよね。