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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

狩野派SAIKO!@板橋区立美術館 2013年9月22日(日)

わざわざタイトルを「SAIKO!」とローマ字表記に仕立てた理由は
サブタイトルで理解できる。

「~再興!最高!再考?狩野派再点検~」。
要は収蔵されている{狩野派}の作品群を
異なる角度から光を当て論考しようという試み。


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展示数は二十三と多くはない。
掛け軸や屏風の
スペースをとるものが殆どなのだから
ある意味仕方のないところ。

丁寧な作者の横顔、作品の解説、
更にはちょっと人を喰った感のある
ユニークな「新タイトル」提示も常とは変わらない。


しかし、例えば、伝『探幽』の表示がある
風神雷神図屏風〕。
左側に風神、右側に雷神の配置や、
随分と小さく描かれた二神は
{琳派}の作品を見慣れた眼からすると相当な
違和感がある。

逆に中央部に配された、突然の雷や強風に
驚き惑う人に視線が集まり、
主題もそちらにあるみたい。

それにしても、これホントに『探幽』?
市井の人々≠風神≠雷神と、
画力に差がある気がしてならない。


暁斎』の作品が三点。
太公望図〕〔鍾馗ニ鬼図〕は何れも黒く太い線が、
前者は智者としての、後者は力者としての
強さの表現に活きている。

が、このヒトの括目すべきは
双幅の〔骸骨図〕。

酔ってモノしたというそれは、
一幅が正面から、もう一幅は背中から
ほぼ等身大の人骨を描いており、
いやいや、とんでもない画力。

理科室の人骨模型が
眼前に在るかのような迫真性。

う~ん、才能が有るってホントに
恐ろしい。


同時に江戸期の女性画家
『清原雪信』『融女寛好』の作品も数点を並べ
再評価をしている。

寡聞にして両者に対する知識は無かったから、
その面でも勉強になった。


会期は~9月29日(日)まで。


ちなみに以前、
自虐的と揶揄した当館のだが
異なる文言に変っていた。

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こちらの方が、多少はマシかな。