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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派―@出光美術館 2011年1月23日(日)

混んでいませんように、混んでいませんように、と
念仏の様に唱えながら、美術館への道を進む。

今回はディスカウンターで事前に入手できなかったものの、
割引券は頂いていたので、
一般1,000円のところを800円で入場。

で、会場内はかなりの人。
まあ、押し合い圧し合い、でない程度なのは
僅かな救いか。
それでも殆んどの人は順序通りに静々と進むので、
そこはそれ、行き来しつつ、旨く隙間を見つけて潜り込む。

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会期は
第1部:2011年1月8日(土)~2月6日(日)
第2部:2011年2月11日(金・祝)~3月21日(月・祝)
に別れ、第1部には「煌めく金の世界」
とのサブタイトルが付けられ、約三十点が展示されている。
勿論、焼き物を除いての点数なので、実際には大作がかなり多いことになる。

本展の主役は『宗達』『光琳』『乾山』。
わけても、前二者の金地の屏風である。

とは言うものの、かなりの年代が経っているので、
銀や青は黒変、白や緑は剥落、赤も色褪せ、
そのレイアウトしか認識できない作品も多々ある。
時の流れの無常を感じながら、一方では
保存状態の良い作品達には、
心から感歎の声をあげてしまうのだ。


光琳』の〔太公望図屏風〕。
川面に向かい釣り糸を垂れる『太公望』。
その姿態は「半跏思惟」の様でありながら、
片手の位置は、足の裏を掻いているにも然も似たり、
のユーモラスさ。

『伊年』印の〔草花図襖〕。
四面をぴしゃりと閉めると、
中央には絢爛な花が咲き誇り、
四方の花々は全てそこに揺らぎながら
流れる様に身を傾ける描写の素晴らしさ。


工芸品類も
『光悦』の〔赤楽兎文香合〕を始めとして、
こんな逸品が身近に在れば、
それだけで毎日の暮らしが豊かに感じられるだろうにと
思わせる名品揃い。


いや、新年早々の眼福、眼福。
後期では、『抱一』の〔風神雷神図屏風〕との再会や、
〔八ツ橋図屏風〕も楽しみではあるのだ。