封切り四週目。
席数224の【CHANTER-1】は満員の盛況。
席数224の【CHANTER-1】は満員の盛況。
「アメリカの良心」を描いた映画は過去から数多。
手垢の付いたテーマだから、再生させるには何か
一捻りを加えないと。
一捻りを加えないと。
『マット・デイモン』が主演と共に、制作と脚本にも関与している。
実際、今までは口八丁手八丁で抜群の業績を上げ、
幹部への昇進も目前。
幹部への昇進も目前。
今回も何時も通りに順調に契約を進め、容易な業務となる筈だった。
が、些細なことが契機で綻びが生じ、
ほんの二三日の滞在予定が数週間の逗留を余儀なくされ、
その間の出来事が、彼の心情に変化をもたらす。
が、些細なことが契機で綻びが生じ、
ほんの二三日の滞在予定が数週間の逗留を余儀なくされ、
その間の出来事が、彼の心情に変化をもたらす。
貧しい辺地の農家暮しを嫌い飛び出した主人公は、
やり手のネゴシエーターであるはずが、
『スー』にこそ、その片鱗は見えるものの、
本人にはまるっきり、やり手の影もない。
所謂、「良いヒト」なのだ(それは劇中でも繰り返し語られる)。
やり手のネゴシエーターであるはずが、
『スー』にこそ、その片鱗は見えるものの、
本人にはまるっきり、やり手の影もない。
所謂、「良いヒト」なのだ(それは劇中でも繰り返し語られる)。
両人共にイイ役をやらせようと
頭でっかちの意識が先行し、性格付けが甘くなってしまったのが残念。
頭でっかちの意識が先行し、性格付けが甘くなってしまったのが残念。
善意の人間を演じさせたい気持ちが先走り、
人物の造形に深みがない。
人物の造形に深みがない。
幾つかの小さな、しかし微笑ましいシークエンスを積み重ね
説教臭くならぬようそれを描く手腕は悪くはない。
説教臭くならぬようそれを描く手腕は悪くはない。
ただ、「社会派」と「ヒューマンドラマ」の二つを
上手く融合させ一本に仕立てる試みは
勿体無いコトに上手く行った、とはとても言えない。
上手く融合させ一本に仕立てる試みは
勿体無いコトに上手く行った、とはとても言えない。
評価は☆五点満点で☆☆☆★。
ではあるが、
大企業の非情さを見せつける挿話は極めて良く出来ており、
タネを明かされるまで、全く気づきもしなかった。
大企業の非情さを見せつける挿話は極めて良く出来ており、
タネを明かされるまで、全く気づきもしなかった。
唯一の収穫と言えるだろう。