RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

クロニクル@TOHOシネマズ日劇 2013年9月28日(土)

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「嘗て高校生だった人も千円」の事前煽りが効いているのか、
席数522と大き目の【NICHIGEKI-3】は八割方埋まっており、
客層は確かに、高校生の年齢の二~三倍強は軽くイっているであろう
カップルが多数。

封切り二日目なのに加え、
「二週間だけ」「首都圏だけ」等の限定感と、
先の料金設定の成せる技かもしれない。

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常人には無いチカラを(心ならずも)備えてしまった時に、
そしてそれが、所謂、超能力と言った類のものである場合、
ヒトはどういった行動を取るのだろうか。

勿論、透明人間になった『ケビン・ベーコン』の様に
しょ~もない(或いは、欲望の根源に忠実な)方向に走る例もあるだろう。

本作では、
成績優秀でスポーツも出来、人望も厚い
生徒会長の(更に将来的には政治家を目指している)『スティーヴ』、
社交的なインテリではあるものの、どこか孤高の影が有る『マット』
(彼には平均的な役割が担わされている)、
そして狂言廻しになる、学校では虐められ、
家庭でもドランカーの父と病に臥せっている母の為に
金銭的に困窮している『アンドリュー』
の、ティピカルな要素を備えた三人を並べ、
各人がどのように対応するかを「クロニクル(=記録する)」に綴っている。


アメリカのイマドキな高校生にそれを持たせることで、
若者らしい懊悩や、比較的底辺に居る人間の苦しみ、現代的な病理が
表出する仕掛にし、
それをVFXを使って料理しているのだが、
(「wiki」にも書かれている様に)『AKIRA』『キャリー』『フューリー』
の影がちらついており、
思想的な目新しさは感じられなかったのは少々残念。

また肝心の特撮シーンも、ややチープな印象。
吊りのテクニックだろけど、浮遊感に欠ける。


直近ではやや手垢の付いた手法ではあるものの、
本編は全てビデオに記録された映像を編集したものの体裁を取っている。

街中のシーンではそれがどうして可能になるかは、
主人公達が得た能力が活用され、この辺のやや捻られた設定は
「巧いなぁ」と唸らされてしまった。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。

それにしても、この種のアメリカの青春グラフィティものを観た時に
常に持つ思いなんだが、
アチラの高校生って、妙に老けた外見に加え、
車の運転や飲酒、深夜のパーティ、ススンだ男女関係、
そしてクスリが、臆面も無く描かれる(本編は「PG12」だけど)。
ホントにこれで平均的なんですか?