RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ヒア アフター@109シネマズ木場 2011年3月10日(木)

初めて行く劇場は、それなりに不安が渦巻くものだ。
「109」というのは、ブランドだから
それなりの保証はされているとは言うものの。

駅の【4b】出口から右手に折れれば
直ぐ向かいに『ヨーカドー』のビルが見え
劇場はその【3階】に入っている。

作りは【川崎】と似ているが、
中は前の席との間隔が多少狭く、
従い傾斜が少し急になっている。
また、「エクゼクティブシート」が無いシアターもあるし、
あってもリクライニングが無い、席幅が狭い、
等、彼我の差は歴然だ。


さて、『イーストウッド』である。
こちらも、最早、「ブランド」として確立している。
要するに「MALPASO」のクレジットが付いていれば、
少なくとも鑑賞料はムダにならないと言う安心感。

イメージ 1

【シアター6】は91席で、
比較的狭い場内の入りは、三~四割程度。
客層は、比較的高齢が多いが、
場所・時間を考えればしょうがないか。
でも、スクリーンはちゃあんと大きいけどね。


フランス人のジャーナリスト『マリー(セシル・ドゥ・フランス)』は
突然の津波に飲まれた時に、臨死体験をする。
現場に復帰しても
生放送中にもその時の情景がフラッシュバックに様に甦る。

かって本物の霊能者として知られた『ジョージ(マット・デイモン)』は、
それを呪われた才能と忌避し、今は工場で働いている。

イギリスの少年『マーカス』は、突然の事故で無くなった兄を
忘れることができず、
霊媒を仲立ちにしてでも、彼と再会したいと願っている。

そんな三人の生活が交互に描かれ、
やがて彼らの運命が交錯する。
その時に何が起こるのか?


冒頭の津波のシーンに先ず度肝を抜かれる。
モブシーンを実写で、
津波のシーンは合成だろうが、
その規模のすさまじさ
(何の前触れも無く巨大津波が起こることの疑問はさておき)。

それ以降は、一転して抑えた描写が続く、
エピソードの積み重ねが巧で
三人が交わるまでの経緯も
全く不自然さを感じさせない。
監督の手練の業、といったところか。


ただ、観終わった後は、
妙にさらっとして、
軽みさえ感じてしまった。

その意味で、
後味の良さを選んだことで、
重みを犠牲にした
イーストウッド』作品に分類される。

死後の世界の描写も陳腐だしね。