RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

LUCY/ルーシー@TOHOみゆき座 2014年9月14日(日

封切り三週目。
席数183の標題館は満員の盛況。

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リュック・ベッソン』の監督に
主演が『スカーレット・ヨハンソン』と来れば、
これはもう観るしかないでしょ。

モーガン・フリーマン』の共演は、自分にとっては
ど~でもい~感じ。

なので『スカーレット・ヨハンソン』が、はやはり上出来。
ちょっとはすっぱで馬鹿っぽい娘から、
超越した人間に変わった後の、細かい表情の変化が素晴らしい。


主人公は思わぬことから事件に巻き込まれ、
人智を超える存在に、本人の意図とは関係なく変容してしまう。

ただ、予告篇で華々しく提示される超人的な行いを
畳みかける様に見せることが
本作の眼目ではないようだ。


限られた時間を命の残りとして設定された時に、
人はどのような行動を取るのか。

本作の『ルーシー』のように、脳を100%機能させる
所謂、超人になってしまった時に、
正しい道に生かせるのか。
そこに彼女に、初の人類として知られている
『LUCY』と同じ名前を付けたことの意味が、たぶん有る。


考えて見れば、自分達の細胞は、
宇宙を構成している一粒なのだから
ビックバン以降の記憶を全て内包していても不思議ではない。

主人公が「時間」の流れに向き合う一連のシークエスで、
〔E.T.〕を想起させる場面はあるが、
あくまでもオマケ的なハナシ。

それよりも〔2001年宇宙の旅〕の『ボーマン』が見るイメージや
ザ・フライ〕で人ならざる者になってしまった『セス・ブランドル』の悲しみや達観の方向に
(見る側は)思い至るべきだろう。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

人間は脳の10%程度しか生かせておらず、
哺乳類の中で、高度に機能しているイルカでさえ20%止まりと言う。

そのイルカの能力を見せることで、
脳へのアクセスが高次になるに連れ、
記憶や知能の向上よりも
意識が外に向かい拡張し、
今までとは異なるモノが見え、できる様になるとの設定は
妙に説得力がある。

勿論、ちょっとやり過ぎのシーンもあるんだけどね。