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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

木版ぞめき-日本でなにが起こったか-@東京藝術大学大学美術館 2014年9月13日(土)

「第2回国際木版画会議 特別企画展」
当該館の地階、【展示室1、2】を使い
明日までの開催

場内はかなりの混雑。会期間近と言うコトも、無料と言うコトもあろうが
外人さんの姿をちらほら見かけるのは、
やはり「日本」趣向が強い展示内容の故だろうか。

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少し以前に『大英博物館』での”春画特別展”が話題になったが、
なんのことはない、本展でも何点か鑑賞可能ですよ、お兄さん。

入っていきなりのコーナーのタイトルが
「Great Japanese Nude」だもの。
『師宣』の〔若衆と娘〕
北斎』の〔福徳和合神積〕
歌麿』の〔鮑取図〕に到っては、背景は素晴らしい一幅の風景画なのに
前面では海女さんが鮑を取っているというシュールな情景。

別のパートでも、やはり『歌麿』の〔蚊帳美人〕と、枚挙にいとまがない。

ではあるものの、こちらの展示室では、錦絵を嚆矢とする
日本らしさを感じる木版の素晴らしさを
十分に堪能できる作品が
当たり前のように並んでいる。

『広重』の〔大はしあたりの夕立〕は、何度見ても
矢の様に走る細い斜めの線に、激しい夕立の
くさいきれの匂いさえ漂って来る。

『江漢』の遠近法を激しく意識した〔縁端美人〕も珍しい。

また、『吉田博』の〔こども〕には
その細密さと共に、水彩画を思わせる表現力に驚かされる。


うって変わって、もう一方の展示室では
”大未来予想図絵”として現役の作家さんの作品が
ずらりと並ぶ。

『梅村圭』の〔職業シーリーズ〕は
一目で判る職業特有の外観を影に使い、
ケルトンのように女性の骨格が見え、芯の部分は
何も変わらんぜ、との意図なのだろうが、
各々のタイトルは
逮捕しちゃうぞって言ってみたい?〕〔萌えですか?〕と
随分と笑わせてくれる。

が、出色だったのは、特別に設定された
『王木易』のコーナーで、
その表現の多様性に驚くのは勿論だが、
眼が釘付けになったのは
〔虫喰い〕〔虫喰い2〕の二点で、
仕様は兎も角、これってやっぱり”春画”だよねぇ
絶対。