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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

都美セレクション 新鋭美術家 2013@東京都美術館 2013年3月2日(土)

一般の入場料は500円。

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計六人の作家の作品が展示されている。


会場内はさほどの混雑とはなっていないが、
展示内容はかなり濃密。


中でも『嶋崎達哉』の一連の彫刻群、
分けても〔Donna 。。。。〕と題された
作品が素晴らしい(。。。。の箇所には色の表記が入る)。

材料は楠やヒバ。
ゆったりとしたプリーツのスカートを纏った女性が
足を前方に伸ばし腰かけている。
ただ、それだけ。

が、膝や踝、肱の造形がもう真に迫っており、
薄い皮膚の裏に骨や関節までが内在しているようで、
木目さえ見えなければ、実物かと思えるほどの生々しさ。

眼つきの怪しい人間になって、
一体一体、睨めるように魅入ってしまった。

これだけの表現ができるのは
他には『江口寿史』くらいだろう。
勿論、こちらは平面の上、だが。


そして『児島新太郎』の計八点。

何れも女性が独り、画面の中央で様々な姿態を
魅せている。

空間にはマリンスノーの如き、
淡い白い発光体が乱舞し、
地面に降り積もる。
彼女等の衣装も、それと同化し判然とせず、
またはぼうと浮き出し、
肌だけがリアルに感じられる。

これも、じ~っと、食い入る様に
眺めて廻る。

たっぷりの時間を取って。


それ以外にも、
正統的な日本画の手法を使い
更に淡泊な描写ながらも
『ホッパー』ばりの寂寥感が
ひしひしと押し寄せて来る『岸野香』の作品など

きっちりと入場料分のモトは取れる充実度。
思わぬ拾いモノをした気分。