RollingStoneGathersNoMoss健啖部

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VOCA展2012@上野の森美術館 2012年3月20日(火)

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一般の入場料は500円だが、
今回は頂いた招待券で行って来た。


それにしても、この立地は、
「折角、上野公園に来たんだから、
美術展でも観て行こうか」
と言う人が、ふらりと立ち寄るのに
適してるんだねぇ。
今回、初めて、具体的に
その様な会話を耳にした。



本展の出展作家は34。
大作が多いのは例年通り。

気になったのは、次の三点。


『高橋ゆり』の〔儚くも嘘吹く〕
蓑亀は古くからの吉相だが、
此処で描かれているマッコウクジラ然とした生き物は、
妖しげな突起物を体躯から出しながら、
酔眼で、今にも蕩けそうだ。
且つ半身は、異形なものに化し、
包まれた少女の上半身が
ただ其処にぽ~んと置かれてる。
こ~ゆ~、世界観が大好きなんだよね。

『田中千智』の〔きょう、世界のどこか〕
漆黒の海を取り巻く様に
煌びやかな港の情景。
海面には、明かりが映り込み、
シンメトリーな耀きを醸している。
静謐さの背景に、仄かに感じられる賑わい。

『山田郁予』の〔安心毛布とかそういうのください〕
薄布の上に描かれた少女は
恰も拒食症の様に、手足は枯木を思わせる如く細く、
しかし、眼だけは、異様に大きく見開かれている。
媚びて助けを求めるかにも見えるが、
何かしらの意志の強さ感じさせる視点に
射抜かれてしまう。


何れも、受賞作ではないけれどね。