RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

平成23年度第35回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展@国立新美術館 2012年2月25日(土)

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例によって、ピンと来た作品を
順不同で。


『武蔵野美術大学

『猪上亜美』の〔おおばくこばく〕
各辺が2mほどの大きな日本画
独特の風合いの和紙上に「陰陽勾玉巴」の様に
大きな黒獏と小さな白獏が配されている豪快な構図。
ただ、なんとはなくの既視感あり。

渉猟していて、ふと目が留まった名前は
「版画専攻」の『河内遥』。
展示されているのはリトグラフが二点。
これって・・・・。



『小俣さやか』の〔LiuBeism〕二点
古代中国系の人物画、方や正統日本画調で
方やPOP-ART風に油で描かれ、
並べて懸架されている。
その対比が面白い。



『小笠原雄介』の〔o.i.d〕
モノトーンの横長の画面。
左半面に上を向き横たわる女性。
漂って来る静謐な空気。

『堀内萌』の〔強さ〕〔光りから生まれる〕はリトグラフ
墨でさっと描かれた様な表現は
陰影が強い割には
僅かなブレが微妙な動きをも感じさせる。

『永井優』の〔ROCK OVER〕
「油画専攻」の割には日本画を思わせる素材と表現。
描かれているのは能面を付けた女子高生ロッカーだ!

『田沼愛子』の〔Imago〕
座る少女の周りを蛾が飛翔する。
顔立ちの好ましさと共に、
人気の居ない教室だろうか、
背景の空間表現も含め好き。



『渡邉成美』の〔decoration〕四点。
自分のカラダをデコレートしている女性。
しかし、その仕方が頗る特徴的。
ピアスの様に皮膚に金具を通し、
そこにリボンを結んでいる。
イタイ・キモイ。
でも眼をそらせない。

上田裕子』の〔意識〕
1m四方程度のリトグラフ
髪をかき上げた女性のうなじの、どアップ。
後れ毛の刷毛を掃くが如くの描写。
ぽつん置かれた黒子様の点も意味ありげ。

そしてリーフレットには記載されていないようだが
『榊貴美』の作品が入り口付近に展示されている。
〔Let It Be〕のジャケットの様に四分割された画面に
大きく描かれた少女の顔。
瞳の部分だけはくり抜かれ、素通しなっている。
常ながらのタッチではあるものの、
常とは異なる構図。


今回も、総じて楽しませてもらった。

~3月4日(日)まで。