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多摩美術大学 造形学科卒業制作展@上野の森美術館 2012年2月5日(日)

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「造形学科」とは言うものの、
日本画と油画、計四十四名による卒業制作展

当該美術館のギャラリーを含め
一階全てを借り切っての展示会となっている。
会期は~今月の7日(火)まで。

しかし、こういった場で総覧すると、
似たような表現の作品が多く見られるのは
気のせいだろうか。
それとも、シンクロニシティー?

そんな中での、目に付いた二点ほどを挙げると、

『吉田映美』の〔現実逃避〕。
アクリルを混ぜた、しかし正調な日本画
上部に金魚が揺蕩空間で、
膝を抱えた少女が正面を見据えている。
魚の赤と少女の単色。
面立ちの好ましさと共に、
行き場の無い空疎さが迫って来る。

『落合かおる』の〔BGM〕。
これも日本画の素材を使用している。
画中には二人の簡略化された人物。
赤い毛糸がカラダ中に纏わり付いている。
各々の耳にはイヤホン。
しかし、そのケーブルと毛糸は、
最早見分けも付かず、
傍目には絡め捕られている様にも見え、
しかしながら、互いに至福の瞬間を共有しているよう。
近寄って目を凝らすと、背景には
薄っすらと蜘蛛の巣様の矩形も散見される。


何れの作品も大作なのだが、
その空間を存分に生かし切るかどうかが
技量なのだろうな。