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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

海炭市叙景@TOHOシネマズ六本木:東京国際映画祭~コンペティション 2010年10月28日(木)

前回並んで、何と無く勝手が判ったので、今日の到着は09:05。
それでも雨の中、当日券入手の列は前に70名ほど。
人気は〔断崖のふたり〕と本作。

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上映はやはり、席数644の【SCREEN 7】。
空席はかなり少ない。

上映前に監督と出演者の挨拶の時間。
今日来た目的の一つにこれがある。
谷村美月』は『満島ひかり』と並んで、
個人的に注目する若手女優。
多少席からは遠いものの、生『谷村』を拝めるなんて幸せ。
後光が差すほど可愛い。


函館市】に良く似た街【海炭市】は、
山が海までせり出し、狭い平野に人がひしめきあっている。
小高い山の上には展望台と、それに至るロープウェー。
道路を市電がのんびりと走る。

主要な産業は造船だが、それとて昨今の不況で、
人員整理が進んでいる。
観光で興業できるあても無く、
街は寂れ、人々の心は荒んでいる。

そんな街で暮らす四組の(あ、正確には五組か)家族の日常が、
オムニバス風に描かれる。
何れの家族も大切なものを、自分達が拠って立つ街に奪われ、
楽しい、懐かしい想い出だけが蘇える。

監督は、その不条理性を、これでもかと提示する。
しかし、その不幸は、実は何処でも日常的に起きているのかもしれない。
我々は、それと知らず、ただ日々を送っているだけなのだ。

街に囚われ、出る事はあたわない。
そして、家族達は、引き寄せられるように、係わり合い、
ひと時すれ違う。
が、そこには何の救済も示されない。