RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

そして、地に平和を@TOHOシネマズ六本木:東京国際映画祭~コンペティション 2010年10月26日(火)

当日券を入手するため、朝08:40から並ぶ。
しかし、到着時には、既に50人ほどの列。
程無くして、係員が出てきて「SPの前売りですか?」と聞いて回る。
成る程、そのための行列だったのか。
殆んどの人が頷く中、暫し後、〔SP〕の残席は16であることが
報告される。
多くの人は、その場を去る。
自分の前に残ったのは十名程度。
う~~~ん。恐るべし〔SP〕。

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で、本作の上映は、席数644と、本シネコンでの最大の【SCREEN 7】。
場内はかなりの空席も散見される。
「前売り券は完売」との情報だったが、招待客向けの席が相当数空いている
と言うことか。
何とも、効率が悪いことだ。


舞台は【イタリア】の、ある都市。
刑務所から出所して来た『マルコ』は、
他の仲間達と特に変わらない悪さをしていたにも拘わらず、
彼だけが逮捕され服役する。
そんな彼に旧友の『グラウコ』と『マウロ』が近づき、
クスリの売人をさせようとする。
これが一つの”トライアングル”。

一方、『ファウスティーノ』『マッシモ』『フェデリコ』の三人の若者は、
無為に毎日を過ごし、ドラッグをやり徒に日々を過ごしている。
これが、もう一つの”トライアングル”。

そして大学生の『ソニア』は生活費を稼ぐため、クラブでアルバイトを始める。

『ソニア』が触媒となり、二つの”トライアングル”が交わった時、
言いようの無い悲劇が起きる。

その街は明らかに錆びれ、移民たちが流入し、
元からの住民は不満を募らせている。
不況は言いようの無い不安を増殖させる。

貧困・無知・暴は、係累や子々孫々まで営々と伝播する。
何処にも怒りをぶつけようが無い閉塞感が満ちている。

しかも、車で僅かに走れば、煌びやかな繁華街が横たわり、
それがより彼我の差を大きく見せている
(これらの構成は〔悪人〕そっくり)。

人種問題をも含めて、我々の前に突き付けられた
行き場の無い若者達の怒りは、あまりにも重く強烈で、
とても理性的に処理できるものではない。


追記
終映時に疎らに起こった拍手。
幾ら感じ入ったとしても、この題材に拍手は
妥当なのだろうか?