訪問までに三度の予約の電話。
一度目は日時×人数指定で二週間前、
二度目は同様に三週間前。
共に「満席です」と返されたので、
三度目はやり方を変える。
曜日×時間×人数を告げ、
最速で予約可能な日にちを教えてもらう。
結果、五週間後を指定され、
噂に聞く通り繁盛店なのだなぁ、と
唸ってしまう。
場所は【阪急】の裏手。
店内は厨房を囲むL字型九席のカウンター、
二人掛けのテーブルが五卓。
18:30の入店で既に五組が食事中、
空きはカウンターの二席のみ。
それでも19時には、テーブル席の客はさっと帰って行く。
おそらく17時頃から呑んでいたのだろう。
カウンターの客はどうにも長っ尻。
テーブル席では二回転目が始まろうとしている。
先ずは《鶏スープ》が出される。
中にはふわふわのつくねととろとろの皮。
スープは熱々で滋味がある。
つくねはピンポン玉ほどの大きさ。
ビールの呑みながら
メニューを呻吟し、オーダーを順次決めて行く。
《揚げねぎ冷やしトマト》
熟れ熟れで甘いトマトにスライスされた玉葱。
その上にはさくさくの揚げ葱がたっぷり。
醤油系のドレッシングを絡めて食べれば、
どうにもうんまい。
軟らかさと硬さの食感の取り合わせも良好。
《もも焼き 小》
小でもこれだけの大きさ。
皮目はぱりぱり、身はぴったりと火が通りジューシー。
添えられているのは甘酸のあるタレで、
そのままでも美味しいが、
付ければ旨味が一段上がる。
《レバーペースト 小》
クラッカーに小さく切られたトーストも添えられる。
このトーストが存外に美味しい。
レバーペーストのこっくりした苦味・旨味に、
胡椒のスパイシーさが強く効く。
粒マスタードも盛られているので、
付けての味変も楽しい。
《から揚げ 二個》
一つが子供の握りこぶしほどもある。
これだけ大きい唐揚げは初めて見た。
衣は薄くさくさく。
他所のように厚くぱりぱりとはしてない。
かぷっと齧りつけば熱々で湯気が立ち上る。
ジューシーさを残しつつ、
中は丁度火が通っている。
どうやら二度揚げをしているよう。
美味しい。
《骨なし手羽おろし醤油 小》
これで手羽だと言う。
日頃食べているものとは見た目も
食感も味も別物。
旨さがたっぷりの肉々しい味。
《むね柚子胡椒 小》
胸肉は芯に僅かに赤みが残る焼き加減。
たたきのようで、中はしっとりだ。
添えられている柚子胡椒は激辛。
ちょっと付けるだけで、十分にその任を果たす。
大量に余らせてしまい、
持ち帰りたいくらいだった(笑)。
《すなぎも》
《れば》は終わってしまったとのことで、
次善の候補。
さほど大きくはないが、
こりこりの食感が楽しい。
肉は存分に食べたので、
ぼちぼち炭水化物を。
《そぼろ玉子かけごはん》
卵黄を落とそうと、そぼろを掘るが
なかなかお米に辿り着かない(笑)。
どうやら肉と米の比率は1:1。
細かく滑らかに仕上がったそぼろはとろろのよう。
硬めに炊かれたご飯と混ぜて美味しくいただく。
《鶏ミーシェン》
やはり麺は欠かせない。
鶏白湯スープはラーメン店のように旨味たっぷりではないけれど、
鶏の美味しさは十分に溶け出している。
完飲。
食後には再び鶏スープが出される。
具材は無くシンプルな見た目も、
表面に張った油膜でその濃度は判ろうと言うもの。
ビールやチューハイを数杯ずつ呑んで、
払いは約1.1万円と激安。
お腹も膨れ、
健康的な肉と野菜も食べられと善いことづくめ。
ただ「若鶏」とあるように、
素材に日寝た旨味が軽いためか
塩の降りはどの料理も強め。
また旨味を補うため、
素材にあった薬味が添えられているかとも思った。
評価は、
居酒屋基準の☆5点満点で4.0(☆☆☆☆)。