RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

8月の家族たち@109シネマズ川崎 2014年5月1日(木)

封切り二週目。
席数の72と極小の【シアター10】は満席。

客層は、やはり、こういった内容が
身につまされる年代だろうか、
やや高齢の女性が多し。

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この手の映画を観ると
『アルトマン』の〔ウエディング〕と引き比べてしまう。

冠婚葬祭の席に一族が集い、そこで隠されていた人間関係や
秘密が顕になる。

そして一族は、再び上辺だけの纏まりを取り戻すか
または〔儀式〕の様に崩壊する。


夫の『ビバリーサム・シェパード)』が突然の失踪の後
溺死体で発見され、一人残された『ヴァイオレット(メリル・ストリープ )』の元に
三人の娘達と妹の家族が集まる。

故人を偲び、しめやかに語り合う場であったはずが、
最初はガールズトークの姦しさから
やがて『ヴァイオレット』の毒舌が炸裂しだし、
ついには長女『バーバラ(ジュリア・ロバーツ)』との取っ組み合いの喧嘩となる。

それを皮切りに、今まではわだかまっていた全ての関係者の思いが
堰が切られた様に吹き出し始める。

それは、親子や姉妹にもとどまらず夫婦にまで及んで行く。


最初はありがちな、親子・姉妹喧嘩の範囲内と
高をくくって見ていた観客の側も、
次第にエスカレーションして行く
そのどろどろとした激しい内容に
口をあんぐりと開けてしまう。

そして此処には、離れようとしてもできない
濃い血の繋がりと共に、
生まれ育った場所と言う地縁に縛られ、
抜き差しならなくなった家族の系譜の悲しい性も語られる。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

メリル・ストリープ』が兎に角エキセントリックな
癌に蝕まれた母親を好演。

それに対抗する『ジュリア・ロバーツ』の
芯が強く、しかし、いつの間にか
小型の母親然となって行く変化の演技も上出来。

ただ、実際に、こんな母娘に傍に居られたら
男性陣はかたなしだろうが・・・・。