RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

あさひるばん@TOHOシネマズ川崎 2013年12月1日(日)

本日が封切り三日目。

席数150の【SCREEN4】は七割の入り。

客層は、やや高齢に振れているが
男女は半々といったところ。

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三十年前は共に甲子園を目指した元高校球児の
『あさ=浅本(國村隼)』『ひる=日留川(板尾創路)』『ばん=板東(山寺宏一)』の元に
当時野球部のマネージャーであり、彼等のマドンナでもあった『阪元幸子(斉藤慶子)』
の娘『有三子(桐谷美玲)』から手紙が届く。

そこには、
母親が重い病で余命幾許も無いため
三人に是非逢いに来て欲しい旨が記されていた。

暫く振りに集い、彼女の病床を見舞った三人だが、
物語はそこから、予期せぬ方向へ転がって行く。


『やまさき十三』は七十を超えて初の監督作品。
元々は〔釣りバカ日誌〕の原作者であり、
高校野球を題に取った漫画の原作も多くモノしている。

なので、本作の様な人情味に溢れたオハナシは
自家薬篭中と言うわけだ。

それが為だろう、多少のぎこちなさや、あまり意味の無いシーン、
不必要な装飾はあるものの、本編自体はするすると進む。

それでいて、きちんと泣かせどころも用意されており、
どうしてどうして、かなり良く出来ている。


取り上げられている題材は
思春期の挫折や淡い想い、父と娘の諍いや和解と
古くからあるもので、目新しさは無い。

それでも、『西田敏行』『國村隼』と言った
〔釣りバカ〕で馴染みの役者を使い、
釣りや野球と言ったお得意の分野で作り込み
自在に撮り上げていることには感心した。


唯一辛いのは、自分と同世代であるはずの三人に
國村隼』が混ざっていることで、
幾ら「老け顔」と表現しても、これには相当ムリあるだろう。

もっと適当な役者さんは、いなかったのだろうか。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

矢張り、実年齢は六十なのに
同級とされている『松平健』の起用も苦しいところだが、
今回だけは許容したい。

なんと言っても、常とは違い、比較的「静」の動きの中で、
顔だけの演技が頗る秀逸なのだ。

このヒト、上手いなぁ、と
思わず唸ってしまった。