『天冨久』の隣。
入り口に続く通路は深閑とし、
脇の看板とディスプレイが無ければ
何の店かも判らない。
店内は二人掛けと四人掛けのターブルが多数に
座敷もある。
11:30の入店で既に半分近くが埋まっている。
その後も来客は続々。
予約も受け付けているようだが、
満席で諦める複数人連れもちらほら。
オーダーは各卓に置かれたメニューを見て直接。
会計は渡された伝票を持ち、
食後に入り口脇のレジで。
変わった趣向の一杯があったので、
今日はそれにしてみようか。
食したのは「夏のつけ汁!」と書かれている
和のつけ麺+大盛り。
値段は1,680+110で1,790円。
連れが《かき揚げ》を頼んだせいもあるだろうか、
25分と随分と待って
角の丸い盆に麺とつけ汁がセットされ供される。
見た目はまるっきり《つけ麺》。
つけ汁は豆乳にアオサ。
豆乳は自然な甘味とコク。
和風出汁で溶いているのだろうか、
軽めの鹹さ。
アオサは潮の香りが強く、
上等なもののよう。
そのままごくっと飲んでも美味しく、
結局完飲する。
麺は二八の蕎麦で、
細ストレート、微かにクロレラ色。
茶色い粒子は散在し、
表面は艶やかで角が立つ。
硬すぎず、軟すぎず、
つるっと啜れば、ぷっつりした歯切れに、
滑らかな喉越し。
量は200gほどか。
葱と山葵の薬味も付く。
評価は、☆5点満点で4.0(☆☆☆☆)。
旧三業地とのこともあるだろう、
窓からのぐるりに日本庭園が見える。
客あしらいも上々。
高齢の御婦人二人連れにはお茶を出し、
我々や男性客には冷たい水をと分けている。
勿論、客席への案内にも
心遣いは見て取れる。
百年も続く老舗だけのことはある。