RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

地獄でなぜ悪い@TOHOシネマズ川崎 2013年10月5日(土)

封切り二週目に突入。

席数158の【SCREEN3】は七割程度の入り。

客層は男女比半々で、やや高齢に振れ、
ま、「PG12」だからねぇ。

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高校時代からの映画好きが高じて、三十近くにもなるのに、
今だ定職にもつけず、何時か映画の神が降臨し、
自分に生涯の一本を撮らせて呉れると
本気で信じている『平田純(長谷川博己)』。

あと10日で出所して来る妻に
娘『ミツコ(二階堂ふみ)』が主演している映画を見せたい
組長の『武藤(國村隼)』。

十年前の出入りの時に、幼い『ミツコ』に偶然出会い
ハートを射抜かれ、今でもぞっこん惚れている
(『武藤』と)敵対する組長の『池上(堤真一)』。

この四人が映画を撮ると言う一点で結びつき、
事態は収拾のつかない方向に転がって行く。


まさに、
「第38回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞」受賞
の冠が言い得て妙。

直近ではシリアスな作品ばかりリリースしていた『園子温』が
自分の出自に忠実に、
更には、アクション/任侠モノ、とりわけ〔キル・ビル〕にオマージュを捧げ、
準主演の『二階堂ふみ』にはリスペクトを捧げた怪作。

血しぶきは飛び、手足は飛び、果ては首まで飛ぶ、
ある意味グロながら、怖ささえも感じさせないチープな造り。

お馬鹿でハチャメチャな作品を好む向きには、
是非一度ご高覧の素敵な一本となっている。


笑いどころもたっぷりで、その科白に役者の表情に
場内は度々哄笑に包まれる。

過去作品からの引用も満載で、
知識を記憶を頼りに、一つ一つ中てて行くのも楽しい。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

國村隼』『堤真一』『長谷川博己』の、
いい歳こいた大人の男三人の、
とことん弾けた演技も見もの。
何れも、途轍も無いエキセントリックさが、
画面からふんぷんと流れ出して来る。