RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

るろうに剣心 伝説の最期編@109シネマズ木場 2014年9月19日(金)

封切り七日目。
席数141の【シアター5】の入りは30人ほどで、
平日の昼下がりにしては、入っている方。

客層は女性が多め。
しかし、中高生の姿はないなぁ。


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前作を引き継いでの流れだから、
やはりアクションを見せ場としての造り込みになるだろうと思っていたら、
想定以上に人間ドラマを切り詰め、見せ場の多い剣劇に時間を割いている。

体感レベルのハナシだけど、
全体の半分以上にも及ぶんじゃあないか。

しかもそれが例によって出来が良いのだから
見応えも十分。


ユニークな見所が幾つかある。

先ずは殺陣を、総合格闘技に近い視点で捉えている点。
所謂、バーリトゥードだが、刀で切る以外にも、
投げる・蹴る・殴ると言った動作を都度取り込み
動きに幅を持たせている。

実際の戦闘では、
(こんなに外連に満ちた動きは無いにしろ)倒した者勝ちなわけだから、
本作で披露された行為こそが、日常的に行われていたのでは?

『剣心』の師匠を演じた『福山雅治』に『ブルース・リー』の所作を
真似させているのも、その表れだろう。


次にアクション場面のカット割りが素晴らしい。

悪例として挙げたこれとは真逆の方向性。
一つのカットをできるだけ長く撮り、その中で俳優達に(当然、スタンドインもあるだろうが)
十分に芝居をさせている。

なので、動きの流れが良く判るし、
複数の人物達が登場するシーンでも
誰がどこで何をしているのかが明快に把握できる。

勿論、見掛け上の識別ができることも肝要で、
衣裳や髪形も含め良く考えられている。

特に一人を中心に、
複数の人物が入れ替わり立ち代わり剣戟を結ぶ場面では、
俯瞰撮影を採用し、
水が流れる様なスムースな動きを
余すところなく伝えきっている。


で、当たり前だけど、各々の主要な登場人物には、
見せ場がたっぷりと用意されており、
誰のファンが見に来ても、
納得ずくで帰路に着ける。


『志々雄真実』の設定は超人過ぎ、
との見方もあるだろうが、
これくらいの強さにしておかないと、
先に挙げた殺陣の美点が生かされないことを勘案すれば、
十分に許容範囲。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


短いカットを繋いでこそ、
スピード感や緊迫感が出ると思っている制作者達は
本作を観て猛省すべきだろう。