RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

LIFE!@チネチッタ川崎 2014年3月23日(日)

封切り五日目。
席数284と大き目の【CINE 5】の入りは満員


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『ウォルター(ベン・スティラー)』は「ライフ」社で写真のネガ管理をしている
風采の上がらない中年男。
唯一の楽しみは「妄想」。処構わず、自分の世界に入り込んでしまい、
その間は、傍目にはぼ~っとしているようにしか見えない。

長い歴史を誇る同社ではあるが
世のデジタル化には抗えずに休刊することが発表される。同時に
コンサル会社からはリストラ対策の人員が派遣され、
多くの社員が解雇の憂き目にあう。

社は最終号の発行を決めるが
専属カメラマンの『ショーン(ショーン・ペン)』から
そのために使うようにと送られて来たフイルム中で
指定されたの番号のネガだけが見当たらない。

連絡が取れない『ショーン』に「25番ネガ」の存在を確かめるため、
『ウォルター』は旅に出る。


原案は『ダニー・ケイ』主演の〔虹を掴む男〕。
基本プロットはそのままに、現代的な味付けを施している。

面白いのは彼の行く先々での出来事。
次第にそれが白日夢なのか事実なのかが
我々にも判然としなくなって来る。

実際にはかなり荒唐無稽な状況なのに、
ひよっとしたらあるかも、と
思わせるところがミソなのだろう。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

それにしても、この前宣伝は頂けない、
苦慮の末だろうが、本作の実相を
まるで伝え切ってはいない。

それでも、この入りなのは鑑賞者側の評価が高いためか。

ラストのシークエンスは実直にモノづくりをしている
職人気質の人間ナシには世界は回っておらず、
そんな彼らへのエールにも捉えられる。

整理解雇のために派遣されて来たコンサルタント達は、
判で押したように同じ外見をしているのも
頗る皮肉な描写だ。