RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

グッモーエビアン!@チネチッタ川崎 2012年12月23日(日)

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席数107の【CINE 1】は満員の盛況。

客層は20~40代に見えるカップルが
圧倒的に多い。

成る程、ターゲットと合致した、
イマドキな「家族」を描いた
ハートウォーミングな一作だ。

クレジット上は、疑似的な家族を演じる
麻生久美子』と『大泉洋』が二枚看板となっているが、
本作の実態は、中学三年生の娘『ハツキ』の
成長譚であり、演じた『三吉彩花』の
等身大の演技が作中で一番のヒカリを放っている。


中学三年生の『ハツキ』は
名古屋のアングラシーンではそれなりに伝説となっている
パンクバンドで、ギターを演っていた母『アキ』と二人暮らし。
年齢も離れてはいないため、一卵性親子の様に仲が良い。

しかし、母親が派遣で稼いで来るお金はそこそこで、
家計は必ずしも楽ではない。

二人には『ヤグ』と言う
母親と同じバンドでボーカルをしていた同居人がおり、
夫婦ではないものの、『ハツキ』は父親にするように
懐いていた。

そんなある日、『ヤグ』がふらりと世界一周の旅に出てしまう。
消息は、珠に来る絵葉書だけで、
彼が居ない生活にも慣れた頃、
出て行った時と同じように、
突然帰国し、二人の前に姿を現す。

以前と同じように、三人での同居生活が始まるのだが、
『ハツキ』は言いようの無いイライラ感を抱えていた。


設定自体はかなり有り得ない。
それを力技でしっくりとしたストーリーに仕立て上げたのは、
原作は勿論、脚本の力量が大きい。

また『麻生久美子』はいい加減そうに見えて、
実はしっかりとしたポリシーを持つ母親を、
大泉洋』は、悲しみを胸に秘めながらも
飄々とした風采の上がらない同居人を
上手く演じている。


が、先に挙げた様に、本作の一番の手柄は、
表情が豊かな、
三吉彩花』のキャスティングに尽きるがな。