RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

SHORT PEACE@チネチッタ川崎 2013年7月27日(土)

封切り館が過少の為だろうか。
勿論、【CINE 3】の席数が138と小さいせいもあろうが
館内は封切り二週目に突入でも、
八割程度の入りで盛況。

来場者は高齢に振れ、男性の姿が多いのは予想通りだが、
それでも女性の比率は四割ほどもある。

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しかし、例によって、予告編でアニメだけを流すのは
止めてほしい。

それも、有料放送の『AT-X』や
『MX』での深夜帯に流れれている作品が殆どで、
ホントにそう言った客層なのか?


タイトルの通り、
オープニングに続いて
四つの短編アニメが流されるオムニバス。

総尺数も七十分弱で、こちらもショート。

しかし、その映像世界はかなり濃密。
特に背景の描写の細かさ、美しさはには目を瞠る。


第一話『森田修平』の〔九十九〕
付喪神」に想を得た楽しい作品。
ラストの一仕事終えた体の主人公は、その仕草と言いカメラのアングルといい
BGMといい、〔用心棒〕の『三船』そっくりではないか。

第二話『大友克洋』の〔火要鎮
〔筒井筒〕と〔八百屋お七〕の混交。
悲しい物語りながら、絵巻物様の体裁と
鮮やかな炎の動きは素晴らしい。

第三話『安藤裕章』の〔GAMBO〕
野生の白熊が、少女の願いを聞き入れ
「鬼」と対峙する。
獣でありながら、無私の行動に走る熊に
妙に親近感を覚える。

此処までは、江戸時代の御話。

一転して
第四話『カトキハジメ』の〔武器よさらば
は近未来が舞台。
但し、原作が『大友克洋』だけあって
ユニークなアイロニーに満ちている。
タイトルとは真逆の、何の為の戦闘なのかが
観ている側にも(勿論、主人公達にも)判らずに
次第に混乱をきたす。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

大友克洋』の新作長編が見たくなった。