RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

県庁おもてなし課@109シネマズ川崎 2013年5月19日(日)

席数の72とかなり小さめの【シアター10】での封切り。
本日で二週目に突入。

客層は全体的に若い目。
ジャニ系が好きそうな若い娘さんの集団、
母娘連れ、そしてカップルと、映画を観て
良い気分に浸りたいと願う人達で満員である。

イメージ 1


原作は、最近、映画化作品がやたらと多い『有川浩』。

監督・脚本は、あのハートウォーミングな佳作、
〔阪急電車 片道15分の奇跡〕と同様で、
違った意味での二匹目の泥鰌狙い、と言ったところか。


庁内に新設された「おもてなし課」に配属された
『掛水史貴(錦戸亮)』と、
同じ部署に民間から臨時採用された『明神多紀(堀北真希)』の奮闘が描かれる。

更には、嘗て県庁から石もて追われた『清遠和政(船越英一郎)』の娘で
民宿を切り盛りしている『佐和(関めぐみ)』、
高知出身ながら今では東京で作家として名を成している
『吉門喬介(高良健吾)』もストリーに絡み、
最後には胸がほわんと温かくなる
何時も通りの『有川』作品特有の大団円。
本作も安心して観ていられる。


大きな目をくりくりさせて
常の如く美少女感満載の『堀北真希』が良いのは当然のコトとして、
やはり目の大きな『関めぐみ』が複雑な性格付けの人物のココロの動きを
表情だけで演じてみせる、これが望外の収穫で、
この人が作品の出来を大きく強化させている。


ただ、流れ自体はもたもたした印象。
先に「奮闘」と書いたが、登場人物達は、
それほど汗水たらして頑張っている感じじゃあない。

語られるエピソードも(特に中途のそれは)
目を見張るほど印象強くは無く、
薄ぼんやりとしている。


また、原作者の自身の出身地への溢れる程の愛情ゆえだろう、
中途から観光映画と化してしまい
主演の二人が高知県内を旅して回る長いシークエンスでは、
この先どうなっちゃうんだろうと、かなり心配してしまった。

実際、自分の横の席の母娘連れ。
お嬢ちゃんの方は、途中退屈で退屈で、
忙しなく身体を動かして、もう大変だったから。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。

前半20分はテンポ良く、
その後の一時間はかなりの中弛み。
そして、最後40分の巻き返しは素晴らしく、
しかも二重のカタルシスが得られるとは
思ってもみなかった。