席数138の【CINE 3】の入りは
七割程度で、封切り三週目のこの盛況は
大層なものではないか。
七割程度で、封切り三週目のこの盛況は
大層なものではないか。
パリのアパルトマンに住む
『ジョルジュ』と『アンヌ』の老夫婦。
『ジョルジュ』と『アンヌ』の老夫婦。
共に元音楽教師だったこともあり、
特に不自由の無い暮らしを送っている。
特に不自由の無い暮らしを送っている。
が、ある日、『アンヌ』が梗塞を起こし
半身不随になってしまう。
半身不随になってしまう。
ヘルパーの助けも借り、
献身的な介護を続ける『ジョルジュ』だが、
彼女の病状は、次第に悪化の一途を辿り、
彼も次第に追い詰められて行く。
献身的な介護を続ける『ジョルジュ』だが、
彼女の病状は、次第に悪化の一途を辿り、
彼も次第に追い詰められて行く。
主要な登場人物は、過少である。
エンドクレジットでも、数人程度。
エンドクレジットでも、数人程度。
実際に奏でられる音楽以外には、BGMも排除されている。
これはエンドロール時にまでと、徹底している。
これはエンドロール時にまでと、徹底している。
舞台は、ほぼ室内に限定されている。
『アンヌ』の容体が次第に悪化するのが
『ジュルジュ』と同じレベルで感じられる。
『ジュルジュ』と同じレベルで感じられる。
なので我々は、ひりひりとした痛みにも似た、
激しい緊張にさらされる。
激しい緊張にさらされる。
オープニングの短い幸せな時間から
打って変わっての、人生の最後に与えられた試練が
尺の殆どを使って描写される(若干冗漫な箇所も散見される)。
打って変わっての、人生の最後に与えられた試練が
尺の殆どを使って描写される(若干冗漫な箇所も散見される)。
画面に眼が張り付き、引き剥がせなくなってしまう。
『ジュルジュ』の判断や決断は、二人しか判らない
愛情の昇華とも見ることができるが、
なまじ同年代になるまで、残り数十年の自分にとっては
とても他人事としていられないし、
劇場に居た観客の多くが同じ感慨を持ったろう。
愛情の昇華とも見ることができるが、
なまじ同年代になるまで、残り数十年の自分にとっては
とても他人事としていられないし、
劇場に居た観客の多くが同じ感慨を持ったろう。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆。
映画自体の完成度は高いのだが、
あまりにも身につまされてしまい、
観終わっての想いはかなり苦い。
あまりにも身につまされてしまい、
観終わっての想いはかなり苦い。