RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

日産アートアワード2013@BankART Studio NYK 2013年9月29日(日)

「2013」と謳われてはいるが
今回が第一回目。

それが為か新聞にも取り上げられ、加えて対岸の
『赤レンガ倉庫』では同日に「第1回ゆるキャラグルメフェスティバル 」等も開催され
そこからの流れの客で混雑してたらヤだなぁと思いつつ訪問すれば、
何れもまるっきりの杞憂。

確かに「らしい」人達も散見されはするが、
全体的に会場内は閑散とし、
却ってもうちょっと人が居た方がいいのに・・・・、と
思ったくらい。

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展示されている八人の作品は、
何れも見応えがあり、
たっぷりと楽しませて貰った。

『渡辺英司』の〔蝶瞰図〕は
壁一面にに蝶が貼り付けられ、
おや『キギ』かい、と思い近付けば
蝶の図鑑から一頭づつを丁寧に切りだし
それを数百、ピンで留めている気が遠くなる作業。

幾つかの表現の組み合わせ且つ応用ながら、
完全に切り離さず、羽の部分だけを図鑑から
それも一ページ中の数十頭に同様の手技を施しているのを見れば、
これは最早、独自に世界観を構築していると言っても良いだろう。


宮永愛子』の〔手紙〕は、その与えられたフィールド内に、
幾十ものトランクが法則性も無くポンポンと置かれている。

幾つかは使い古された実物。
また幾つかはプラスチックの様な素材で作られた、そのコピー。
更に幾つかは透明な樹脂で造られ、中は空けて見えるのだが
鍵の形状だけが封じ込められ、外観は紐で縛られ、封蝋まで施されている。
密閉された区域には、ナフタリンで造られた
トランクや靴を含む旅装が置かれ、
それらは次第に気化し、次第に元のカタチを失いつつある。

現在から未来へ、そして、この場から海外へと伝わって行く
広がりを感じさせる。


それ以外にも、

実際に館内で使われている、便器や洗面台を
異なる場所に設えることで
新たな文脈が派生してしまう『西野達』の作品は、
とってもな力技。

ちなみに、それらサニタリーが元在った場所を確認すれば、
「戸がきちんと閉まらず、ご不便をおかけします」と言った趣旨の告知が、
男女共通で貼られており、
幸いにも中には誰も居なかったが、
この場所を実際に使用するのは
かなり面映いぞ。


会期は~11月4日(月)まで。

交通費と時間を掛けて行く価値アリ。