RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ミッション:8ミニッツ@109シネマズ川崎 2011年11月19日(土)

イメージ 1

【シアター10】は席数72と極小。
そのせいもあってか、
場内は満席の盛況。
客層はカップルが多目。

本作の監督『ダンカン・ジョーンズ』と言えば、
どうしても『ボウイー』の息子という出自から
色眼鏡で見られがち。

が、第一作の〔月に囚われた男〕は
作品自体をもって語らせる傑作。

多少、安作りなセット、
ソラリス〕の二番煎じかと思わせるプロットながら、
蓋を開けてみればビックリ玉手箱の様相。


で、本作。
前作同様、「繰り返し」がキーとなる。

シカゴ駅で起きた列車爆破の犯人を探るため、
『コルター・スティーヴンス(ジェイク・ジレンホール)』
は繰り返し、特定の人物の意識の中に転送させられる。
その時間は決まって8分間。

数度繰り返される内に、次第に犯人は絞れてくるのだが、
何故自分が選ばれたのか?
何故こんなことができるのか?
と言った新たな謎が併行して湧き出して来る。

何の説明も無しに、
意識転送された『コルター』のアップからの
ファーストシーンは、観ている方も混乱してしまう。
次第に仔細が明らかになるストーリーテリング
手腕は例によって素晴しい。

また、エンディングに至るまで
複数のサスペンスが並列して描かれるのは、
本作の主要素である「量子論」を体現して、
観客の側からすれば、二重・三重にドキドキする。

短い尺の中に、手際よく収められているため、
こちらは息つく暇も無いほど興奮させられてしまう。


結果、二作目も、一作を凌駕する傑作。
同監督の力量は本物と見た。


ちなみに、「量子論」については
イメージ 2

こんな著作を読んでおくと、ためになる。
同時に複数の場所に存在できる理論が、
うす~~~~~くではるが、理解できたりする。