RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

カラカラ@109シネマズ川崎 2013年1月19日(土)

本日が初日。

そのせいか、
席数89の【シアター9】は九割程度の入りで盛況。
客層はやや高齢に振れているのだが、
男性の独り客が多いのは驚きで、
おいおい、まさか主演の『工藤夕貴』ファンじゃぁないよねぇ。

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芭蕉布」と「沖縄の静けさ」に魅せられた
フランス系カナダ人『ピエール(ガブリエル・アルカン)』と
夫のDVに辟易して家を飛び出した『純子(工藤夕貴)』が
ふとしたことで知り合い、共に沖縄を廻るロードムービー

シュチエーションはシンプルだが、
滋味に満ちた穏やかな想いが、やがて
じわりと押し寄せて来る。

ただ、
知り合った翌日に、六十を過ぎた年寄と、
四十近い主婦が、いきなりヤッてしまう。
しかも、その時の『工藤夕貴』の上げる声が
尋常ではない(それにも意味があるのだが・・・・)。
それから彼らは旅に出る。
文章にすると身も蓋も無い。
カタチを変えた〔男と女〕ですかい?


家庭生活に悩む『純子』は勿論だが、
大学教授を引退し、文筆生活をおくる『ピエール』にしても
生きることに葛藤を抱えていることが提示され、
しかし、二人が旅する過程で
それらの悩みが次第に浄化されていく。

一方、時として映像と言葉で挿入される
沖縄が抱えている現状についての疑義は
唐突感もあり深みが無い。
取って付けた様だ。


タイトルの「カラカラ」は沖縄で泡盛を入れるのに使用される
酒気の意。
中に陶器でできた玉を入れることがあり、
酒が入っていないと「カラカラ」と音を立てる。

それが、旅をしている間の、
二人の心情のメタファーになっている。


それにしても『工藤夕貴』。
最初は誰か判らなかった。
太って、年相応に顔の肉は垂れて来たし・・・・。

オマケに、化粧が
中国雑技団然していて、勘違い映画で描かれる、日本人のそれ。
とっても無国籍然としていて不満。

ただ、それがラストシーンでは
すっぴんに近くなり
憑き物が落ちた様。
意図した表現であれば
監督の手腕と言うべきだが。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。