RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

始発電車を待ちながら@東京ステーションギャラリー 2012年10月21日(日)

今月1日に新装なった同館が再オープンし、
その記念展が来年~2月24日(日)まで開催され、
入場料は大奮発の一般500円。

発表されているそのラインアップを見れば
好事家からすれば生唾モノだが、
唯一の心配は混雑具合。

なんてったって、HP上でも
「入場時間を記載した整理券を配布する」なんて恐ろしいことが
書かれているんだから。

気になりながらウオッチ続ければ、
相応の混雑は最初の内だけで、
現状ではかなりスムースに人は流れている様子。

ならばと腰を上げ【東京駅丸の内北口】に降り立てば・・・・、
ぎえ~、なんちゅ~人だかりじゃ。

イメージ 1


「中央での写真撮影禁止」等のタテ看はなんのその、
みんなゆったりと歩を止めて
天井の写メを撮っている。

ここいら辺は、TV報道の弊害だなぁ。
警備員さんも諦めて、声を掛けやしない。

が、ここで俄かに、当該館の混雑状況が気になる。
ホントーに大丈夫なのか?

イメージ 2


館内に入れば、二台の券売機の前には
若干の行列。
慣れないせいか、戸惑っている人多し。
しかし、脇に控えているお姉さんが丁寧に教えてくれるのだが、
判っている人間にも同じように介添えするのは、
やや鬱陶しいかな。


エレベーターで3階に上がれば、
そこはいきなり『パラモデル』の世界が広がっている、
床から壁面~天井まで、全て彼らの作品で埋め尽くされている。

より近くで観ようと、控えている係員さんに、
「触らないので、もっと傍に寄って観ていいですか?」と聞くと、
「中央通路からは中に入らないで下さい」という
木で鼻を括った様な返事。え~っつ。

加えて、エレベーターを降りた直ぐの空間に
戻って再見しようとすると、
「どちらに行かれるんですか」と制止されるし。

おいおい、ここ自由行動が制限される場所かい。


次の間は『本城直季』。
東京駅をモチーフにした、例によってのミニチュアを観ている様な作品が
数点。これは、今後、作品が追加されるの由。


『クワボリョウタ』の作品は、入り口の前で一旦待たされ、
その後十人強を一塊として、暗室の中へ通される。

そこには、日用品で作られたジオラマ風の造形物。
線路の上を走るミニュチュアの電車の先端に取り付けられた
微小なライトから壁面に写された影は、
さながら未来都市の様で、
彼方此方から驚嘆の声が上がる。

しかし、ここでも、係員の解説が少々うざい。
しかも、一周が30秒弱の作品なのに、
完全入れ替え制なんですな。
これは如何か。


順を追って、
『柴川敏之』の作品は全て錆で覆われ、
現代の文物が未来に発掘された趣向。
イマドキなアイテムが、上手くセレクションされている。

『秋山さやか』は路線図や駅校内図への刺繍が、
変わらず、その土地土地に係累するもので綴られ、
観ていて楽しくなる。

行列ができている『廣瀬通孝』の作品は、
イカパスモを機器にタッチすれば、
そこに記録されている過去の移動経路が
ディスプレイのマップ上に表記されるスグレモノ。

『大洲大作』の作品は車窓から撮られたスナップが
様々な光源を背景に連なっている。

『ヤマガミユキヒロ』のそれは、精細な鉛筆画の上に、
駅のコンコースや線路を行き交う電車が投影され、
幻想的な世界を醸し出す。

『廣村正彰』の作品は、会場の壁を興味深そうに見つめる
人達の映像が、タイムディレイの様に映し出される。
一見、現実の観覧者の過去の姿の様だが、これは多分、違うな。


ことほど左様に、九人のアーティストの作品群は、判り易く
観ていて非常に楽しかった。

東京駅に関連するモチーフ縛りも、
それに功アリだと思う。

しかし、殆どの人達は、自分の三倍程度のスピードで
すたすたと通り過ぎて行く。

係員も、じっくりと腰を落ち着けて鑑賞する自分を
怪訝そうに眺める。


ああ、ここは、ギャラリーではなく観光施設なんだと、
珍しい、話題のスポットだからと、見に来た人が殆どなのだと
思い至る。入場料も格安だしな。

だって、一番人が滞留しているのが、
出口直前のお土産売り場なんだもん。


同施設は、これから、どう展開して行く積もりなんだろ。

後戻りしながら再見・再々見し難い造りも
辛いし。


ちなみに、『パラモデル』の作品は
展示室以外の各所でも観ることができる。
これは望外の楽しみ。

イメージ 3

イメージ 4