RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

マウリッツハイス美術館展@東京都美術館 2012年8月16日(木)

人の多い所や行列は嫌いなので、
できれば忌避したいのだが、
これだけは、この機会に行っておかないと
一生観られない可能性があるからな。

幸い、開場時間は(平日で)~18:30に延長され、
HP上にも「只今の(入場までの)待ち時間」が
刻々と表示されている。

新聞広告でも推奨されている様に、
17時以降は、かなり余裕を持って観られる。

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当日は16時少し過ぎに着。
「只今の待ち時間10分」と書かれたプラカードを持ったお兄さんが
列の最後尾に立っている。

ま、これくらいなら並ぶのも一興と列に付くが、
思いの外するすると進み、
ストレスも無く入場できてしまう。

ちなみに入場券は、ディスカウンターで1,480円(!)で購入済み。


とは言うものの、場内は相当の混雑。
特に、入り口付近、『レンブラント』のあたり、そして当然の様に
「彼女」の周辺が凄まじい。

なので、例によって、うろうろと歩き回りながら、
空いている隙にするりと入り込み、
立ち止まり、少々の時間を掛けて鑑賞する。


しかし、ここで、問題発生。

改装後の同館の企画展示室移動は、基本
LB→1階→2階へのエスカレータによる一方通行。
行き来して観るためには、
退場用のエレベーターやエスカレーターで
一旦、入り口付近まで戻り
再入場に近いカタチでしないといけない。
なんだかな~。

それでも17時頃には、待ちの列も消え、
場内の人の影も徐々に薄くなり、
漸く、通常の企画展と同程度になる。


でも、やっぱり、長時間に渡って、
画の前に立ち止まるのは憚られる。
『ヤン・ステーン』の〔牡蠣を食べる娘〕であれば、極小さい画面に
仔細な描きこみがされており、
もっとたっぷりと観ることで得られる情報は大きいのだが、
中々ねぇ~。

ま、確かに、画中の人物の衣装等は、
フェルメール』の作品のそれと相似で、
当時の流行だったのだなぁ、等の理解は
すすむんだけどね。


で、肝心の「彼女」、
鑑賞は二手に分かれる。

至近で観るためには、(その時刻で)二十分程度の列に並び、
ゆっくりと歩を進めながら。
止まって観るには、先の列より、50cmほど後方の
ロープの後ろから。
終わった人の後に入り、
少しずつ前進しながら最前に辿り着くか。

結局、自分は、人が少なくなって来た頃を見計らい、
前者の方法で一回、後者の方法で二回
観たたけれど、どちらにしても、
忙しないったらありゃしない。

とても「鑑賞」などの単語で語れるものでは無く、
画の持っている雰囲気を
僅かに感じられた、程度に留まる。
もっと、ディテルまでじっくりと観たかったなぁ。


一方で、同じ作者の〔ディアナとニンフたち〕は
普通に展示されているためか、それとも複数回目の来日のためか、
はたまた、知名度が低いためか、さらりと流されているのは
何とも皮相。

服の襞の描き方なんかは、(当たり前だけど)共通点が
ありあり、なんですけどね。


先に挙げた群に加え、
ルーベンス』の〔聖母被昇天〕(これも、直前に新聞等で取り上げられたせいか、
人だかりが激しかった)もじっくりと観て、
約二時間の滞在。

総点数は48と少ないものの、高密度で、
払ったお金の価値は十二分にあった感じ。


会期は~9月17日(月)まで。