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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ザ・ビューティフル@三菱一号館美術館 2014年4月29日(火)

一般の入場料は1,600円だが、ディスカウンターで400円で入手。
元々、行きたかったイベントなので、小躍りするが、
会期末(~5月6日)が近いためか、それとも不人気なのか、
はたまたとんでもない混雑なのか、
ちょっとびくびくしながら足を運ぶ。

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場内はそこそこの入り。が、
小さな部屋が幾つも連なっている当該館の構造を考慮すれば、どうしても
滞留ができるので、驚くほどではない。

しかし、時間が遅くなるにつれ
上階へのエレベータ待ちにも列ができるのが目に入る。
早めに来て良かったかも。


で、
観終わっての感想は、かなり拍子抜け、いや、
正直、がっかりに近い内容。


会場内は部屋毎に「新たな美の追求」「美しい書物」等の
タイトルが付けられ、それを想起させる文物が並べられている。

目録上の総点数も百四十と、相応のもの。
ただ工芸品や本、壁紙、タペストリー、デザイン画も
うちの相当数を占めている。

肝心の画も、エッチングや素描が多く、
油彩は数えるほどしか拝見できない。

只の「美」ではなく、その前に「ザ」を冠する意気込みは買うが、
少々企画倒れではないか。


勿論、フライヤーにも使われている
アルバート・ムーア』の〔真夏〕〔黄色いマーガレット〕〔花〕
フレデリック・レイトン』の〔パヴォニア〕
等には、立ち止まり、暫し魅入ってしまうし、
『ロセッティ』や『バーン=ジョーンズ』も多く並んでいるのは嬉しい
(それを反映してか、会場内は妙齢の女性が頗る多い。
{ラファエル前派}人気だからねぇ)。

更には『ビアズリー』の〔サロメ〕も三点が並び
その微細で特徴的な描写は
飽きることもなく、何回も行きつ戻りつしてしまった。


そして、意図的にそうしたのだろう、
{ジャポニズム}の香り。

先に挙げた作品群にも、例えば扇子そのものであったり、
背景の屏風に鶴や山水が描き込まれていたりと、
随所に嗜好の片鱗を観ることができる。


それでも、だ、
見応え、という面では、悲しいかな
全然満足できない。

え、これで終わりなの?
って喰い足りない印象。