RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ちょっとパリまで、ず~っとパリで@泉屋博古館分館 2014年4月30日(水)

ホントは一週前に来たかったのだが、
要人来日のための、あの警備体制を知って、ちょっと怯んでしまった。

一般の入場料は800円だが、
招待券を頂いた。

会期は~5月11日(日)までで、
「渡欧日本人画家たちの逸品」なる副題が冠され、
更には「住友グループの企業文化力Ⅱ」なるキャッチも付加されている。

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場内は意外なほどの混雑。

近隣の会社に務めるサラリーマンが
昼休みを利用しての鑑賞だろうか
Yシャツにネクタイ、胸にはネームタグを下げ、
しかも手ぶら、とか
高年齢の婦人の二人連れとか、
かなり人が入っている。


総展示数は七十弱。
タイトル通り、画家達が短期間の洋行、
またはかなりの長期に渡って住み着き、
そのことにより画風の変化も含め
どのような影響があったのかを
丁寧な解説と一人あたり複数枚を並べることで検証している。

とは言うものの、
梅原龍三郎』は何処まで行っても『梅原龍三郎』。
並んでいる二点は、観た途端にそれと判るし。


藤田嗣治』も二点が並び、
1960年代の作品はお馴染みの乳白色のそれだが
1935年の〔Y婦人の肖像〕は、描かれている猫に違いは無いし
構図も全く同様ながら、皮膚の色が異なるだけで
ここまで印象が違ってしまうものか。


佐伯祐三』の〔鯖〕も良い感じ。
巴里の街角ばかり描いていたのかと思ったら
こんな作品もあったのね。

皮と身の下に骨までもが透けて見える様な
素晴しい質感表現の画力にも驚嘆する。


藤島武二』の〔黒扇〕と同じモデルを使った
〔黒衣の婦人〕も興味深い。

タッチも違いにより、受ける印象もかなり
異なるのだね。


いやいや、たっぷりと楽しませて貰った。
こ~ゆ~のを、価値のある展覧会、と
ゆ~のだ。