RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

私が、生きる肌@TOHOシネマズシャンテ 2012年6月14日(木)

席数190の【CHANTER-3】は九割方の入り。

カップルに加え、女性の姿が多く見られるのが以外。
何と言っても「R15+」。
内容はと言えば、殺人・強姦・誘拐と、
凶悪犯罪のオンパレードなんだから。

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世界的整形外科医の権威『ロベルト(アントニオ・バンデラス)』は
自分が開発した「究極の人工皮膚」を
自宅に幽閉している『ベラ(エレナ・アナヤ )』に移植し、
火事の火傷から救えなかった妻そっくりに形成を施す。

ある日、彼の邸宅にメイド頭の息子が訪ねて来る。
そのことをきっかけに、
『ロベルト』の過去、『ベラ』に整形を施した理由が明らかになっていく。


現代版の〔ピグマリオン〕である。
古くは〔ギリシア神話〕、そして『バーナード・ショー』による戯曲から
マイ・フェア・レディ〕へ。

先の作品になぞらえるなら、
『ヒギンズ教授』=『レックス・ハリソン』→『ロベルト』
『イライザ』=『オードリー・ヘプバーン』→『ベラ』
の図式になる訳だが、身分や階級を越えての恋は
当時としては十分に刺激的だっただろうが、
現代版のそれは、見事に倒錯的。
ある意味「イマ」を外連味たっぷりに描いている。

取って付けたようなラストは鼻に付く。
「人工皮膚」に拘る件も説明が不十分。
加えて、全編を観終わっての
後味の悪さは半端ではない。

それでも、そのザラついた感覚が、
妙に心に残る。

カルト的な、記憶に留まる一作になるかもしれない。