RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ミッドナイト・イン・パリ@109シネマズ川崎 2012年6月10日(日)

席数89の【シアター8】は満席。

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ラジオ・デイズ〕では、ラジオを中心に暮らす1940年代の
家族。

カイロの紫のバラ〕では、1930年代の
映画が娯楽の王様であった時代。

1970年代後半のニューヨークを描いた〔マンハッタン〕、
ダイアン・キートン』への想いを綴った私映画〔アニー・ホール〕。

こういった、思いのこもった映画を作る時の『ウディ・アレン
は強い。

そして本作は、パリへの思いが充満している、
『アレン』監督・脚本になる久々の快作。
「アカデミー脚本賞」受賞も、当然のことに思われる。


映画の脚本家で、今は小説の執筆に乗り出そうとしている
『ギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソン)』は
婚約者『イネス (レイチェル・マクアダムス) 』の
裕福な両親の出張に便乗しパリに来ている。

『ギル』は同地に傾倒し、住んでも良いと考えているのだが、
『イネス』は同意しない。

それ以外でも、二人の間には、細かい綻びが見え始める。


ある夜のこと、酒に酔った『ギル』は独り街を彷徨い、
たまたま誘われた車に乗り込む。

行き着いた先は1920年代の、往時の名士が集うパーティ。
そこには『スコット・フィッツジェラルド』『コール・ポーター
アーネスト・ヘミングウェイ』、彼にとってのイコンが屯っていた。

彼の時代と現代を毎夜の様に往還する『ギル』。
その体験は、彼の生き方に対する考えを変えて行く。


例によってディレッタンティズムに溢れ、
この時代の西洋の文物に通じているほど、
楽しめる仕上がりにはなっている。
なので、その方面に疎い日本人には、
真性の楽しさは理解できないかもしれない。

それでも、憧れの時代に触れることで、
次第に変容していく『ギル』には共感できるし、
我々も、素直な優しい眼差しを彼に向けることができる。

もう少し若ければ『アレン』本人が、
気の弱い主役を演じたかったのだろうな。