RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

17歳 @チネチッタ川崎 2014年2月23日(日)

封切り二週目に突入。
席数129とかなり小さい【CINE 2】の入りは満員。

「R18+」だけあって
高齢の男性が単身の来場者が目立つが
女性やカップルもそこそこ居るのは
ちょっと驚き。

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バカンスに訪れた避暑地の海岸で
あっさりと初体験を済ませた17歳の高校生『イザベル(マリーヌ・バクト)』は
その時の相手を何事も無かった様に振り払い、
戻ったパリの地で不特定多数の年上の男達を相手に売春を重ねる様になる。

しかし、こういった秘密が長く続かないのは世の常。
ある出来事がきっかけで、彼女の素行は両親に知られることとなり・・・・。


並みの監督であれば、
夏の体験の一節だけで一本の映画に仕立てるところだろうが、
フランソワ・オゾン』は更に一歩踏み込み、
青春只中の揺れ動く少女の心持ちを執拗に描き込む。

本作の主人公は、
バカンスもしっかり取り、家政婦まで雇うことができる裕福な家庭に育つ。
また、セックスの最中も、ちっとも気持ち良さそうでは無く、
どちらかと言うとマスターベーションの方が躰が燃え上がる。

金の為ではない、快楽の為ではない、では何が目的の売春なのか。

お金を貰うのは、ただ自分のカラダの価値換算としての
等価交換でしかない。


ブニュエル』の〔昼顔〕を想起する向きもある様だが、
自分としては此処での
『安藤すみれ』の姿が想起されて仕方無かった。

若さを持て余すように、しかし、何をして良いのかも判らない。
やり場のない気持ちが、人それぞれに発露する方向は様々。


金を貰わなければ良かったのか?
不特定多数でなければ良かったのか?
相手が同年代であれば良かったのか?

彼女は、たまたま、その天分の容姿と若さを
有効に使ったのに過ぎないのではあるが。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

事前情報をあまり入手せずに映画は観に行く方なので、
シャーロット・ランプリング』のこの出し方には吃驚した。

こんなカタチ、役どころで登場させるなんて。