RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

TIME/タイム@109シネマズ川崎 2012年2月19日(日)

こちらは公開三日目。
席数246の【シアター1】は満員の盛況。
やはり、期待を持たせる、思わせぶりな予告編の効果だろうか。

イメージ 1


時間=寿命が通貨となった世界。
人々は富裕層と貧困層に分割されている。

人間は25歳で成長が止まり、
あとは左腕の「ボディクロック」
に表示される時間が、即ち余命となる。

富裕層は時間を気にすることなく暮らし
永遠に近い生を享受し優雅に生きる。
不慮の事故さえ気をつければ、
「命」について考える必要もない。

一方、貧困層は、労働の対価として
「時間」を受け取り、それを食料や住居・交通と交換する。
最低限必要な払いをすると、
あと一日の余命を維持することにかつがつとなり、
一秒を節約する暮らしをおくっている。
巷には「時間」を奪い合う犯罪が多発し、
チャージできずに命を落とした人の遺体が
そこいらじゅうに転がっている。

ある日、スラムに住む『ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)』は
ひょんなことから116年という途方も無い時間を手に入れる。
そして彼は、その得た時間を元に、層の境界「タイムゾーン」を越える。


何とも不親切・不可解な映画である。


何故この様な世界になってしまったのかの説明は一切無い。
我々には、その事実だけが、ぽ~んと提示され、
背景も解からずに、それを受け入れるしかない。

当然、「時間」を遣り取りできる仕組みについてもなおざり。

また、「時間」を管理する「タイムキーパー」の存在意義や理由も
意味不明。
主人公との対比で無理矢理誂えた感さえ漂う。

従い、ラストに向かい提示される、
「体制の危機」がなぜ起るのかも理解し難い。

チラシには、そこいら辺の経緯が記載されているものの、
作品中で記述するのが当然だろうに。


現代資本主義の歪を皮相に描写
と言った側面もあるわけだが、
それが透徹したシーンで表出する訳でも無い。

一方、チエィスやアクションのシーンが盛り込まれても、
特段の目新しさは無く中途半端。

要するに、何をしたかったのかが明解でなく、
何とも消化不良なのだ。


が、ラストに至ってようやく理解できることになる。
これは「明日に向かって撃て」や「俺達に明日は無い」の
世界感の踏襲なのだと。