RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

最強のふたり@TOHOシネマズ川崎 2012年9月1日(土)

席数240の【SCREEN7】は満席。

客層はやや高齢のカップルが多い。

しかし、この作品、
こんなに盛況になる論拠は無いように思えるんだが、
予告編の出来が良いことが要因なんだろうなぁ、
プラス、口コミと。

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が、正直に言わせて貰うと・・・・、
良かった。
素晴しい出来。

買い付けをした『GAGA』に諸手を挙げて
賛意を示す。


障害者と健常者、
富裕層と貧困層
インテリと無学、
ネィテブと移民、
本作では幾つかの対立項が示される。

一方で、それを凌駕する、
(カラダの)不自由と自由という
絶対条件の提示が大きいのだが、
しかし、それらが全て、(時としてブラックな)ジョークに包まれ、
あっけらかんと笑い飛ばされる。


二人の主人公『フィリップ(フランソワ・クリュゼ )』『ドリス(オマール・シー )』の会話などは
変に良識のある人ならば、差別と憤るところだが、
本作ではそれを感じさせない。

それは、『ドリス』が『フィリップ』を
対等な人間として扱っていることに起因し、
一種の爽快感さえ感じさせる。


繰り出されるジョークは時に卑猥で、
成る程「PG12」の理由が判る。

また、ナチスを思わせる、シーンが出てきた時には、
腹の底から笑ってしまった。

ただ、フランスの政治家になぞらえての表現は、
我々には本来の可笑しみが理解できないのは
少々、残念だった。


冒頭、
「実際の出来事にインスパイアされた」との一文が提示されるが、
そんなこととは関係なく、息つく暇も無いほど笑わされ、
そして、ほろりとさせられる、
脚本の流れも素晴しい。