RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

日輪の遺産@109シネマズ川崎 2011年9月3日(日)

台風はのろのろと進まず。
蒸し暑く風も強い。
雨が、時折、さぁ~っと、通って行く。
【川崎】駅周辺の人出も、
心なし、何時もより少ない気がする。

キャパ89席と、それ程大きくはない
【シアター8】の入りは四割程度と、幾分淋しい。
客層は、やや高齢の男性が多いかな。

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終戦間際の八月、近衛第一師団の少佐『真柴(堺雅人)』
は軍首脳部に呼び出され、重大な任務を託される。

それは、「山下財宝(=マッカーサーの父親が集めた遺産)」を
戦後日本の復興の為に秘匿せよ
と言うものだった。

その為の手筈は全て上層部により整えられており、
主計中尉の『小泉(福士誠治)』
左足を負傷している曹長の『望月(中村獅童)』
も同行、
全ての行動は、都度渡される指示書に従うことを厳命された。

その指示通り、
「森脇女学校」の二学年二十人と、
引率の教師『野口(ユースケ・サンタマリア)』と共に作業にあたる
『真柴』。

しかし、財宝の密閉が終了する間際に届けられた指示書に
書かれていたのは、
彼を絶望の縁に落とす文言だった。

『真柴』や『小泉』は、果たしとどの様な行動に出るのか?


実際は、予告編を観た時点で、
指示書の内容は読めていたし、ある程度の展開の予測もついていた。
勿論、原作は読んでいない。

しかし、映画は結果が判っていても、
過程の描写を楽しむものだし、
本作は、それだけのチカラがあるからと踏んで、
足を運んだ訳だ。

しかし、良い意味で、この予見は裏切られた。

この作品の白眉は、
プロローグと、時折挟み込まれる現代の描写、
及び『真柴』が取った行動以降にあったわけだ。

ある意味、嬉しい不意打ち。
これだから映画の真価は観終わるまで判らない。

エピローグまで観て初めて、
タイトルの「遺産」は金銭ではないことを
我々は知るのだから。

西条八十』作詞の〔比島決戦の歌〕が随所で効果的に使われる。